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「参院改革党」で決められない政治に決別を

第4回 野中尚人・学習院大学教授に聞く

2012年1月12日(木)

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日本政治の大きな問題は、政治家一人ひとりが課題を理解していても、集合体として意思決定する仕組みがないこと――。野中尚人・学習院大学教授は今の膠着した政治状況の本質をこう喝破する。現状打破に向け、政治家・政党の奮起を促すと同時に、参院改革に取り組むためのアイディアを提示する。

――今の民主党政権への国民の評価は厳しいものがある。

野中:いわゆる「55年体制」で与党、野党が固定化されたシステムでは、日本政治が立ち行かなくなっていたのは間違いない。自民党による「事前審査制」や官僚の意向がまかり通る状況、政治腐敗など、長期政権によるゆがみはもはや看過できない状態だった。それが「政治改革」の機運が高まった背景だった。
 そこで、国民の意思で政権交代し、政治が意思決定すべきところはする。そんな政治システムへの転換が重要視された。小選挙区中心の選挙制度を導入したことも大きいが、「政治主導」を掲げた民主党が政権を獲得したこと自体は、「政治改革」の1つの帰結だったと思う。

 ただ、民主党政権の混乱ぶりは目に余る。もう少し、長い目でみていかないといけないとはいえ、政治や政策を変えるためのデザイン設計が不十分だったのは間違いない。統治機構の問題は改善せず、マニフェスト(政権公約)も中途半端だ。

 こうした問題に加え、衆参の役割分担の整理や、参院の権限をどう縮小していくかなど、手を付けてこなかった本質的な課題についても今度こそ取り組まないと、今の膠着した政治情勢は変わらないだろう。

野中 尚人(のなか・なおと)
1958年生まれ。93年東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専攻博士課程修了。静岡県立大学国際関係学部助手などを経て96年より現職。専門は比較政治学、現代日本政治。著書に「自民党政治の終わり」(ちくま新書)など。
(写真:都築雅人)

――参院の権限に関する問題とは。

野中:自民党が衆参で多数を抑えている間は、今のように衆参の多数派が異なる「ねじれ国会」になって法案審議が行き詰まる事態が表面化することはなかった。

 90年代の「政治改革」は、衆院の選挙制度改革などに対象が限定され、「強すぎる参院」問題などの見直しは見送られてきた。
 しかも、最高裁は1票の格差について、参院は「1対5」程度なら許容範囲との判断をしてきているが、参院の定数は衆院定数480の約半分の242に過ぎない。
 ほぼ半分の人間で1対5まで格差が許容されているということは、参院選挙において、人口希薄地域の有権者の意思が、過剰な形で日本政治に影響を与えているということだ。これは、おかしい。

 識者や政治家などの間では、「参院は良識の府になれ」ということがよく語られる。それはその通りかもしれないが、与えられている権限について、ただ使うな、それが良識だ、といっても無理と言うものだ。
 憲法改正も含め、権限の見直しを議論し、再構築する必要があるだろう。

参院改革の工程表を

――処方箋としてどんなことが考えられるか。

野中:憲法改正まで視野に入れるなら、例えば1院制にすることが考えられる。ただ参院を単純に廃止するといっても無理だろうから、いったん、参院を衆院に合流させ、その後、定数を減らすというステップを踏む手順はどうだろうか。

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「「参院改革党」で決められない政治に決別を」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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