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「アマゾンのキンドル、嫌がる国があるんです」

三木谷浩史・楽天会長兼社長に聞く(その2)

2012年2月21日(火)

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 昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になろうとしている。世界企業を目指す楽天に今、何が起きているのか。三木谷浩史会長兼社長をはじめ、楽天の各国の経営を担う幹部たちに語ってもらった。
 三木谷社長の2回目は、楽天の最大のライバルである米アマゾン・ドット・コムについて。世界を制するためには負けられない相手に、三木谷氏はどのように戦いを挑もうとしているのか。

 (日経ビジネス2月20日号「楽天の焦燥 三木谷浩史が海外展開を急ぐ理由」も併せてお読みください)

 (2012年1月に買収完了した、電子書籍事業を手掛けるカナダの)コボ、この買収は本当にホームランですね。

 アマゾンのキンドル、嫌がる国があるんです。正直に言って。フランスがその代表かもしれませんが、出版は文化や教育の中核じゃないですか。それを米国の結構激しい1企業にコントロールされるってのは国としても嫌、出版業界としても嫌な訳です。

(写真:古立 康三)

「米国の激しい1企業にコントロールされるのは嫌」

 フランスで何が起こったかご存じですか?出版業界がキンドルにコピーライツを渡すのをコボが発売されるまで待ったんですよ。それで同時発売となりました。我々がフランスのプライスミニスターを買収したときもそうです。うち以外に米国企業がもう1社名乗りを挙げていたんですが、「俺たちはアメリカの会社は嫌だ」と(笑)。

 こういう背景があるから、英国ナンバーワンの書店「WHスミス」や、フランスで電化製品や書籍を扱う大手チェーン「Fnac」がコボをすさまじい勢いで担ぐわけです。英国でも(キンドルに対して)かなり追いついていると思いますよ。当て馬戦略と言われれば、そうかもしれませんけど。

 コボはカナダではもともとインディゴという、日本で言うと「TSUTAYA」みたいな会社の子会社でした。米国では(全米2位の書店チェーン)ボーダーズと提携していましたが、潰れてしまいました。そのため米国でのシェアは低いですが、カナダ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドではマーケットシェアは1位なんです。

カナダの書店では、大々的にコボを販促(写真左)。右は電子ペーパーの「Kobo Touch」とカラー液晶の「Kobo Vox」
(写真左:James Kachan)

 英国もすごい勢いで追いついているし、ドイツでもいい勝負をしている。僕らの戦略としては米国もやるけど、マーケットシェアをひっくり返すのは結構な時間がかかるのでじっくりやっていこうと思っています。逆にそれ以外の場所ではアグレッシブに展開していくつもりです。

 日本での開始は今年の春。まだいくつかの開発が完全に終わっているわけではないのですが、コンテンツを揃えて春に予約開始をしたいと思っています。出版社とは当然話を始めています。

 最初からコンテンツを揃えたいですね。これまで、楽天はパナソニックやソニーと一緒に電子書籍サービスを展開してきまして、現在約4万タイトルくらいあります。フランスでも4万タイトルでスタートしたんですが、決定的な違いがあるんですね。フランスはトップコンテンツの4万が出ていて、日本の4万は歯抜けになってるんですね。ベストセラーの類が出ていたり出ていなかったりという状況です。

 これは基本的には作者の問題です。ただ、作者と出版社の関係はタレントとタレント事務所のような関係。タレント事務所の意向が非常に大きく左右するんです。(日本は)非常に前向きな出版社とそうではない出版社があります。

 じゃあ前向きじゃない出版社は何が嫌だったかというと、これまた正直に言えば、やはりキンドルだけに占領されるのが嫌だったわけなんですね。今回、うちがコボを出すことで出版社にとって安心できる環境が整うんではないでしょうか。日本では是が非でも勝つつもりです。

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「「アマゾンのキンドル、嫌がる国があるんです」」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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