(前回から読む)
昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。危機に直面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になろうとしている。世界企業を目指す楽天に今、何が起きているのか。三木谷浩史会長兼社長をはじめ、楽天の各国の経営を担う幹部たちに語ってもらった。
三木谷社長の3回目は、急拡大する海外進出の成否と話題を呼んだ英語公用語化の狙いについて聞く。
(日経ビジネス2月20日号「楽天の焦燥 三木谷浩史が海外展開を急ぐ理由」も併せてお読みください)
海外展開は、僕の感覚の中では猛烈にやっているというよりもまだ遅いという認識です。展開するのは簡単だけど、成功しなければ意味がない。継続的に成長していける仕組みが必要です。僕らはそれを「仕組み化」という言葉で表現しています。

「楽天出身のベンチャー、嬉しい気持ち半分」
なぜここまでやるのか。うーん、何ていうんでしょう。ちょうど昨日(取材日は1月13日)もグリーの田中良和社長と飯を食ってたんですが、世の中には彼のように楽天出身のベンチャーがうじゃうじゃいる。嬉しい気持ちが半分、複雑な気持ちが半分なんですけどね、僕としては(笑)。
だけど彼らは楽天の経営メソッドをそのままやっています。もともと自分が銀行を辞めて会社を興したのも、経営メソッドを広げたいという思いがありましたから。僕はいまの日本人がすごく内向きになっていると感じている。楽天が本当に海外で成功すれば、若者の意識を変えられると信じています。
うちが国際化、国際化、国際化と言い出してから、ほかのIT企業も結構同じようなことを言い出しましたよね。そういうトレンドセッター的な役割はできるのではないかと思っています。ただ、もう1つ。じゃあ、どうやったら本当に成功するのか、です。
米国のIT企業は、最初から国際化を想定していろいろなモノを作ってきている。英語というアドバンテージも向こうにはある。じゃあ日本はどうか。流通業の国際化が成功しているといっても、本当の意味ですごい成功を収めている訳ではないですよね。
ハードウエアを輸出するだけなら簡単なんです。ただ、そうではない楽天みたいなIT(情報技術)とサービスのモデルで、日本人でも、日本の企業でも成功できるということを証明したい。自分の中には強烈なモチベーションとして持っていますね。
(海外展開も)一から作ったものと買収したものがありますが、作った中で一番うまくいっているのは台湾。経済規模が日本とは異なりますが、やり方次第で日本の「楽天市場」と同等の存在感を示せると思います。
買った会社で言うとフランスのプライスミニスターですね。フランスの中でそもそも知名度が高い会社ですが、今、楽天市場と同様のマーケットプレイス型を始めたんです。その伸び率がすごい。これは非常によかった例と言えるでしょうね。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。





からのご案内




