「常盤文克×御立尚資 “脱常識”から始まるニッポン企業の改新」

日本からはなぜアップルが生まれないのか

模倣メーカーに出資したホンダに学べ

  • 小林 佳代

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2012年3月2日(金)

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 2011年3月11日に起きた東日本大震災──。東京電力福島第1原子力発電所の事故を併発した未曾有の大災害によって、日本企業の事業活動は甚大な被害を受け、多くの課題が浮き彫りになった。

 あれから1年。タイの洪水や超円高の追い打ちに遭い、日本企業の多くは再浮上のきっかけをつかむどころか、さらなる苦境にあえぐ。この事態から抜け出すにはどうしたらいいのか。

 花王元会長の常盤文克氏とボストンコンサルティンググループ日本代表の御立尚資氏。日経ビジネスオンラインでコラムを連載する2人の論客が語り合う。

 初回は、日本の家電産業を牽引してきたソニーとパナソニックでトップ交代が相次ぎ、日の丸半導体の最後の砦だったエルピーダメモリが会社更生法の適用を申請する事態を受けて、日本企業が競争力を再び取り戻すための条件を探る。

(取材構成は、小林 佳代=ライター)

常盤:東日本大震災後もそうでしたが、景気が悪くなってくると、「もう日本でのモノづくりは限界だ。モノづくりにこだわらず、サービス業に転換していった方がいい」という具合に、モノづくりに消極的な議論が出てきます。御立さんはどうお考えですか。

御立:私はモノづくりの強みを失ったら日本は滅びると思います。

常盤:全く同感です。それを私も言いたかった。私はモノづくりというのは永遠不滅の仕事だと思っています。人はモノと重なり合って生きている。モノなしでは1日たりとも生きられない。人間が存在する限り、モノが必要です。やり方次第で、モノづくりはまだまだやりがいのある、夢のある仕事であり続けるはずです。

 この1月には米国のバラク・オバマ大統領が一般教書演説で製造業の復活によって経済成長や雇用創出を目指すことを打ち出しました。米国はサービス業だけでは食えないということです。

 日本の場合も1億3000万人弱の国民はサービス業だけでは絶対食えないでしょう。モノづくり業があってこそ、その上に乗ってくるサービス業が成り立つのです。

御立:私は「拡大モノづくり業」という言葉を使っています。モノづくりのコアがあって、リサイクルやリユースがある。モノづくりのコアがあって、サービスやソリューションがある。そのコアをなくしてはいけない。入れ替えではなく、足していけばいいと思っています。

常盤:モノづくりを単に工場で製品を作ることと定義してしまうと、非常に狭い世界に限定されてしまう。モノを作るためには研究開発から始まり、原料・材料調達、生産、物流、マーケティング、販売という過程をたどります。これが全部モノづくりです。どれが欠けても成り立たない。

 モノを作るということはモノを売るということと表裏一体です。この関係をしっかり認識し、モノづくりを大きくとらえることをまず基本にしないといけない。

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