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森信茂樹・中央大学法科大学院教授に聞く 改革なければ、消費増税は無駄に

社会保障と税の公平性改革は急務

2012年3月1日(木)

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消費税引き上げをしても社会保障の充実や財政再建が自動的に出来るわけではない。むしろ社会保障の見直しや自営業者の正確な所得捕捉など大胆な改革がなければ引き上げの効果は薄れる。森信茂樹・中央大学法科大学院教授に、消費税引き上げとともに必要な改革を聞いた。(聞き手は本誌編集委員 田村賢司)

―― 消費税引き上げについて民主党内には異論もあるが、野田佳彦政権は法案提出に動き出した。

森信茂樹(もりのぶ・しげき)氏
1973年4月、大蔵省入省。主税局総務課長、東京税関長、財務省財務総合政策研究所長などを経て、2006年9月、中央大学法科大学院教授、日本租税総合研究所所長に。税制のエキスパートとして知られる(写真:柚木 裕司)

森信:政治的にどうなるかは予断を許さない面もあるが、野党も含め、誰が政権についても、結局、消費税上げは不可避なのだろう。

 問題は引き上げた後の使い方だ。今回5%引き上げても、実際に社会保障の充実に使うのは1%、残りは社会保障の安定財源を確保するということで、実際には財政再建に使うことになっている。難しい問題だが、今の財政状況から考えればやむを得ないという他ない。

 しかし、経済への影響は心配だ。前回、消費税を3%から5%に引き上げた1997年には、増税で景気が悪くなったと言われるが、実際は異なる。景気に配慮して、引き上げの前に6兆円の先行減税を行ったのに、消費税引き上げの後、社会保険料も引き上げてしまった。

 消費税引き上げで約5兆円、社会保険料上げで2兆円、計7兆円の負担増となり、先行減税の効果を吹き飛ばしてしまったのが痛かった。

―― 財源もなく、今回は先行減税の余裕もない。

森信:先行減税が無理なうえに、後期高齢者健康保険の財源を賄うために、サラリーマンの介護保険料や健康保険料も引き上げになる可能性がある。前回と似たような格好になるわけで、教訓が生かされていないと言わざるを得ない。

 厳しいのは社会保障費の増加抑制への踏み込みが足りないことだ。97年から国の社会保障費は約10兆円増えているが、うち7兆5000億円は、抑制をしなかったために増えたもので社会保障の機能強化は一部でしかない。必要なところにはお金をつけても、見直すことのできるところは見直すというふうにして、社会保障費を精査しないと消費税を引き上げても結局、また足りなくなる。

 今回の「社会保障と税の一体改革大綱」でも、社会保障の効率化はまだ甘く、地方への交付税も増やすなど改革自体の踏み込みは十分ではない。

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「森信茂樹・中央大学法科大学院教授に聞く 改革なければ、消費増税は無駄に」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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