「改めて問う経営再創造の道筋」

震災の反省から見える化を徹底する

第4回 山本忠人・富士ゼロックス社長に聞く

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2012年3月8日(木)

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 2011年3月11日に起きた東日本大震災──。大津波や原発の事故を誘発し、戦後最悪の被害をもたらした未曾有の巨大複合災害は、バブル崩壊後の日本企業の経営が内包してきたさまざまな問題を表出させた。

 その反省から企業は自らのあり方を再考する必要に迫られる。その機運を捉えて日経ビジネスオンラインでは、震災1カ月後からコラム「復興の経営学──ここから始まる経営再創造」を連載し、日本企業が追求すべき新たな経営のあり方を模索してきた。発端となった震災の発生から1年。ここで経営再創造の道筋を改めて問う。

 今回は、富士ゼロックスの山本忠人社長に、東日本大震災に伴って生じたさまざまな課題をどう解消しようとしてきたのか。この1年間の取り組みを振り返ってもらう。

(取材構成は、中野目 純一=日経ビジネス記者)

(前回の遠藤功・ローランド・ベルガー会長に聞くから読む)

 東日本大震災は、その被害の規模もさることながら、当社の経営に対しても大きな衝撃をもたらした。というのも、それまで地震をはじめとして災害の発生に備えて築いてきたものが機能しなかったからだ。

 当社では、1995年に起きた阪神・淡路大震災を受けて、BCP(事業継続計画)を全面的に見直していた。例えば、地震が来たら損壊の恐れがある場所にあった事務所を移設したり、災害時にもお客様に対してトナーなどの消耗品を即座に補充できるように在庫を抱えたりしていた。

 このようにさまざまな手を打って万全を期していたと思っていた。ところが今回の震災が起きると、そのほとんどはうまく機能しなかった。「我々は一体、何をしていたのか」。こうした思いが胸中に広がったのを今でも覚えている。

1年かけてBCPを全面的に作り直す

 震災の後には、タイで起きた大規模洪水の影響で同国から調達していた部品が手に入らず、生産に大きなインパクトを受けた。それも踏まえてBCPをもう一度、全面的に作り直す必要がある。そこで社内に緊急対策会議を設けて、今年1年をかけてBCPを新たに策定することにした。

 既に震災の発生直後に直面した問題については、手を打ってきている。個々の問題ごとにどのような対応をしてきたのか。震災からこれまでの取り組みをまずは振り返ってみよう。

 震災が起きて最初に対応しなければならないと考えたのは、被災したお客様が使用されているファクスやプリンター、複合機などの出力機器が使えなくなる事態を防ぐために、紙やトナーなどの消耗品を補給することだった。

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