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 2011年3月11日に起きた東日本大震災──。大津波や原発の事故を誘発し、戦後最悪の被害をもたらした未曾有の巨大複合災害は、バブル崩壊後の日本企業の経営が内包してきたさまざまな問題を表出させた。

 その反省から企業は自らのあり方を再考する必要に迫られる。その機運を捉えて日経ビジネスオンラインでは、震災1カ月後からコラム「復興の経営学──ここから始まる経営再創造」を連載し、日本企業が追求すべき新たな経営のあり方を模索してきた。発端となった震災の発生から1年。ここで経営再創造の道筋を改めて問う。

 最終回の今回は、自動車や産業機械向けの軸受け(ベアリング)大手、NTNの鈴木泰信会長に持論を聞く。

 同社の主要顧客である自動車メーカーや産業機械メーカーは、東日本大震災とそれに続いて起きたタイの大洪水で相次いで部材を調達できなくなり、製品の生産停止に追い込まれた。こうした事態を振り返り、企業の経営者が取り戻すべき姿勢を提示する。

(取材構成は、中野目 純一=日経ビジネス記者)

(前回の山本忠人・富士ゼロックス社長に聞くから読む)

 昨年3月に発生した東日本大震災、それに続いてタイで起きた大洪水。この2つの大災害によって、当社の主要な顧客である自動車メーカーは2度にわたって、製品の生産停止を余儀なくされた。

 幸いにして、当社の国内外の生産拠点は2つの災害の直撃を免れた。しかし、自動車メーカーの生産停止に欧州の債務危機が加わって、自動車向け部品の需要が減少。当社の業績にも少なからぬ影響が出ている。

我々はおごり高ぶって謙虚さを失っていた

 相次いで起きた自然災害の被害や影響の大きさを振り返ると、私はある思いにとわれる。我々は謙虚さを失っていたのではないかと。

 思い起こせば、20世紀は理論物理学の時代だった。理論物理学で発見されたさまざまな法則の実証に明け暮れた100年だったと思う。

 今回の震災では自然災害にとどまらず、付随してさまざまな事故も起きた。我々は科学の力で自然をも制御できる。そうおごり高ぶって、いつの間にか謙虚な気持ちをなくしていたのではないか。


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