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買収された欧米企業が日本の本社に対して持つ強烈な不満

事業部門に「突っ込み」を入れる“投資家”の役割

2012年3月22日(木)

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 「投資家というのは怪しからん。企業では、顧客に向けた価値や従業員に対する価値こそ重要なのに、企業の価値はキャッシュフローだなどと言う。だからあいつらは嫌なんだ」―――ちょっと古いタイプの社長などには、よくこういう方がいる。この言葉、半分正しくて、半分間違っている。

 「企業の価値」には二種類ある。企業において、顧客や従業員など利害関係者に向けた価値はもちろん重要である。企業とは、言わずと知れた“Company“=Com(ともに)+Panis(食料としてのパン)、すなわち「食をともにする仲間」である。何か”これ“と思う大事なことをやるために志を同じくする人々が集まり、この夢を未来永劫希求していきたいといえる何かを持ち、それを関係する人々へと伝え、巻き込み、進んでいく組織体である。

 何もやりたいことがなければそもそも組織など作る必要はないわけだから、企業が希求し提供していきたい価値というのは、企業という存在の根幹である。ここではこれを「右脳的な企業価値」と呼ぼう。先の社長がこれこそ重要と断言した価値である。日本では企業理念などとしても扱われる。この「価値」もきちんと機能しているのかはちょっとアヤシイのだが、その話は次回に譲るとして先に進もう。

 「右脳的な企業価値」があれば「左脳的な企業価値」もある。今回はこちらの話だ。

 「企業」という言葉を辞書で引くと「営利を目的として、継続的に生産・販売・サービスなどの経済活動を営む組織体」とされている。組織体ではあるのだが、その継続においては経済活動を営み“利”をあげなければならない。利潤追求の成功度を測る指標が必要だ。

「左脳的な企業価値」とは?

 昔は売上や会計的な利益だけをみていればよかった。だが、現在はIFRS(国際財務報告基準)の考え方にもあるように、キャッシュフローが重要となっている。投資家の言う企業価値は、単にこのことである。売上高や営業利益率などと何ら変わることのない経済的な指標のひとつに過ぎない。

 だが、先の社長のようにこれを右脳的な価値と混同する向きは少なくない。ましてや、企業価値という言葉を時価総額増大と同義で使うような投資家や経営者が跋扈した時期には強い反発も招いた。

 「左脳的な企業価値」とは、企業における中長期的な将来のキャッシュフロー生成能力の総和の現在価値を示し、単なる足元の株価上昇とは異なることは、今や言うまでもあるまい。だが、本来の「左脳的な企業価値」を企業は向上させ得ているかと言うと、実はこのあたりも何やらアヤシイ。

 断わっておくが、ここで言っているのは売上高は見なくていいから企業価値を測るためにEVAをいれよう、などということではない。成長が稀少な時代にあって売上高の増加は重要である。それは企業が得られる最大のキャッシュインフローだからだ。要は、キャッシュインフローとアウトフローのバランスをしっかり見ることである。

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「買収された欧米企業が日本の本社に対して持つ強烈な不満」の著者

松田 千恵子

松田 千恵子(まつだ・ちえこ)

首都大学東京大学院教授

1987年東京外国語大学外国語学部卒業。2001年仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院修士。日本長期信用銀行、ムーディーズジャパンを経て、コーポレイトディレクションなどでパートナーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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