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防災対策の考え方を改め「まさか」の事態にも備えよ

責任者の過失を問うことをやめない限り「真実」は明らかにならない

  • 家入 龍太

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[1/4ページ]

2012年3月23日(金)

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 東日本大震災から1年。首都圏直下型地震や東海・東南海・南海の3連動地震といった巨大地震の発生が予想されているほか、洪水や台風、火山の噴火などほかの自然災害のリスクも山積している。にもかかわらず、危機意識が薄らぐ傾向が見え始めている。

 そこで次に起こり得る大規模災害のリスクや社会、企業、個人の備え方について防災やリスクマネジメントの専門家に聞く。今回は、「失敗学」の権威である中尾政之・東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻教授に、大津波や原子力発電所の事故を併発した東日本大震災のような「巨大複合災害」に対する備え方を論じてもらう。

(取材構成は、家入龍太=フリーライター)

(前回の対策を講じない企業は取引停止や株価下落のリスクもから読む)

 東日本大震災では、東京電力福島第1原子力発電所の事故を含め、地震で生じた様々な被害について「想定外」という言葉があちこちで使われた。しかし本当に想定外だったのだろうか。そうではないと私は考えている。

 例えば、福島第1原発の事故。失敗学会理事長の畑村洋太郎・東京大学名誉教授が委員長を務める政府の「事故調査・検証委員会」の中間報告が、昨年末に公表された。この報告書を読むと、事故の詳細が克明に記されている。

 原発のプロたちは全電源が喪失した場合にどう対応すべきか。いわば、「勝利の方程式」とも言える対策について知っていた。すべての電源が喪失して、非常用電源がなくなった時に、原子炉内の圧力によって非常用装置のタービンを回して、冷却水をポンプアップして冷やす、という内容がその第一段だ。

原発のプロたちは「勝利の方程式」を知っていた

 実は福島第1原発の2号機と3号機は、自動的にこうした処置がちゃんと動いていた。1号機だけはフェールセーフが働いたために動いていなかったが、オペレーターに非常時の経験がなかったので、動いていないことが分からなかった。動いていなければ、「勝利の方程式」の第2段として、何とかして別の冷却水のポンプを動かせばよかったのだが、その経験もなかったのである。

 電力とは違うエネルギーで動かせるポンプは、原発の中には消防車しかない。もっとも、消防車の圧力はたかだか10気圧だ。一方、原子炉内の圧力は70気圧くらいになっている。逃がし安全弁を開いてその圧力を下げると格納容器の圧力が上がる。そのためベント弁も開いて、圧力を外気に開放しなくてはならない。

 福島第1原発の吉田昌郎所長もその方法しかないことを知っていた。しかし、東京電力や協力会社のオペレーターはこの消防車の“裏技”を知らなかったらしく、いざという時にうまくいかなかった。

コメント4件コメント/レビュー

「研究室によっては日頃から使っているツイッターによって、10分で全員の確認ができたところもある」これは「安」だったからではないのですか?「否」では何時までも返信が無いでしょうが、だからと行って「否」とは断定できないでしょうし・・・(2012/03/26)

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「研究室によっては日頃から使っているツイッターによって、10分で全員の確認ができたところもある」これは「安」だったからではないのですか?「否」では何時までも返信が無いでしょうが、だからと行って「否」とは断定できないでしょうし・・・(2012/03/26)

何度も聞かされ続けた“想定外”という言葉の違和感がやはり責任転嫁にあったのだと改めて思い知らされる。責任は誰かにとって貰わなければならないが、まずその前に起きてしまったことに対して真摯に向き合い、正直に事実を公表してほしい。原発災害はなぜここまで酷い状況になったのか。なぜ放射線の高い方向へ逃げるような事態になったのか。反省、未来への備え、そして責任の取り方に至るまで、全ては正確な事実を把握して検証することから始まると思います。福島県民の一人として言いたい。関係者の方達はこれ以上逃げないで下さい。この事態はあなたたちだけの責任ではなく、過去の過ちの蓄積が引き起こしたことでもあるのだから。そしてその過ちの連鎖を止められるのも、他でもないあなたたちと私達であるのだから。(2012/03/24)

私も、昨年の地震の経験は脳裏に深く刻まれました。偶然ですが、駅でチラシを配布していた市議会議員のかたのブログで「防災士」というものがあることを知り、市で助成・奨励しているということだったので、先日、「防災士」の試験を受け、合格しました。これから登録するところです。多くの日本人が、意識が変わったと思います。また変わらなければいけない気がします。以前から違和感があったんですが、日本人の多くは、「上がやってくれる」「上がやるべき」という発想がベースになっています。しかるべき肩書きを持った、しかるべき機関で働いている、しかるべき人間は、しかるべき動き方をするのが当然だ、と。でも、そういう立場の人も「人間」なんですよね。ひょっとしたら、めぐりあわせによっては自分がその立場に立たなければならない場面が出てくるかもしれない、という意識が、そこには欠落しています。100%安全もなければ、100%危険もない。1度きりの人生なのだから、後悔のないように自分で判断していかなければいけない。・・・私を含め、これまでの多くの日本人には、その感覚が薄れていたのではないかと思います。法も政府も、人間が作り、人間が運営しているものですから、文字通りの意味で「万能」であるはずがありません。なんでもかんでも政府に頼るのは、自分の大切な人生まで他人に丸投げするのと一緒だ、ということに多くの人が気付いてきているような気がします。また気付かなければいけないと思います。(2012/03/23)

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