• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「生態系」で読み解くアップルの強さ

競争戦略論を再考する【その3】

  • 峯村 創一

バックナンバー

2012年4月23日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターといった経営学の大家が著した“古典”を読むだけでは、複雑さを増している現代のビジネス現象を解明し、競争を勝ち抜く戦略を見いだすことはできない。現在進行形の事象から得られた最新の知見を学び、戦略を組み立てることが必要だ。

 このコラムでは、気鋭の経営学者たちが現代経営学の最先端の世界へと誘う。まずは、ポーターらが確立してきた競争戦略論の新潮流について、4人の俊英に解説してもらう。

 今回は企業の強さを「エコシステム(生態系)」という視点で分析しようとする新しい考え方を取り上げる。この考え方では、ある企業が競争において強さを発揮できている理由をその企業の戦略ではなく、その企業がほかの企業と形成している「生態系」に求めようとする。

 現実の企業は、個々に独立しているわけではなく、様々な企業と関係しながらビジネスを行い、その関係の上に強みを構築している。こうした現実の企業のあり方に即して、企業の競争力を解き明かしていこうという試みだ。

 この新しいアプローチを研究し、日本企業の強さの分析に応用しようとしている椙山泰生・京都大学経営管理大学院教授に効用などを聞く。

(取材構成は、峯村 創一=フリーライター)

―― 「スマートフォンのエコシステム」「アップルのエコシステム」などという言葉をよく耳にするようになりました。この「エコシステム」という概念が生まれてきた背景には何があるのでしょうか?

椙山:近年、成長目覚ましい企業を分析してみると、その競争力の源泉をその企業単独ではなく、周辺の多種多様な企業が参画するシステム全体を含めて論じなければならないケースが多く生まれてきています。

 例えば米アップルは、スマートフォン(高機能携帯電話)の「iPhone」を世に送り出すことで、モバイルの世界を一新させました。スマートフォンという新しい製品カテゴリーを日本でも確立させ、ソフトウェアである「アプリ」のマーケットを生み出し、ウェブ上に様々な関連サービスを成長させることに成功しました。

 iPhoneとアプリの登場によって、関連する補完的な製品やサービスの開発を爆発的に促し、消費者だけでなく携帯電話を作る側の状況も一変しました。

 そこで注目されているのが、「エコシステム」という概念です。これは、その企業が所属する「経済圏」が、あたかも自然界の生態系のように境界や構成メンバーを変えながら、拡大したり縮小したりして変容していく様子を表したものです。

 アップルの歴史は、パソコンのOS(基本ソフト)とハードウェアのメーカーとして始まりました。それが、携帯型デジタル音楽プレーヤーの「iPod」とコンテンツ配信サービスの「iTunes」の開発によってAV機器メーカーの顔を持つようになります。そしてiPhoneの開発と爆発的な普及とともに、今度は携帯電話メーカーへと変身していきました。

 このように、産業の枠にとらわれず、多様な企業群を巻き込みながら変化していく経済圏を、自然界の生態系になぞらえて「エコシステム」というふうに呼んでいるわけです。

コメント1

「気鋭が作る新しい経営の教科書」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック