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日本企業は「時間」という資源を生かせ

競争戦略論を再考する【その5】

2012年5月10日(木)

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 ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターといった経営学の大家が著した“古典”を読むだけでは、複雑さを増している現代のビジネス現象を解明し、競争を勝ち抜く戦略を見いだすことはできない。現在進行形の事象から得られた最新の知見を学び、戦略を組み立てることが必要だ。

 このコラムでは、気鋭の経営学者たちが現代経営学の最先端の世界へと誘う。まずは、ポーターらが確立してきた競争戦略論の新潮流について、4人の俊英に解説してもらう。

 今回、登場するのは、一橋大学イノベーション研究センターの軽部大准教授。競争戦略論と技術マネジメントを専攻し、企業の成長戦略と資源蓄積プロセスなどの研究に取り組んでいる同准教授は、日本企業は1980年代初頭以降イノベーションを起こせていないと指摘。既存の業界構造を主体的に変革し、その中で主導権を握ることが重要だと説く。

(取材構成は、秋山 基=ライター)

(このシリーズの初回から読む)

2011年度の日本企業の業績は、全般的にかなりの悪化が予想されています。

軽部:東日本大震災があり、タイの洪水がありましたから、その影響は大きいと思います。ただ、そういった特殊要因が働いたからというだけでなく、2008年から2011年にかけて業績が大きく沈み、いまだに回復できていない企業が多いようです。

 目立ったところでは、エレクトロニクス産業がそうです。とりわけテレビ事業においては、各社とも、液晶パネルを自前で生産していることが強みではなくなり、「重み」になっています。

 テレビという製品そのものが完全にコモディティー(汎用品)と化し、各社が新たに打ち出している大画面化や高精細化といった特長は、お客から見ればオーバースペックで、セールスポイントになっていない。3D(3次元)画像が起爆剤になると踏んでいたメーカーもあったようですが、必ずしも消費者に訴求し切れていません。

従来の「勝利の方程式」が通用しなくなった

何が問題なのでしょうか。

軽部:一言で言えば、高品質で「手離れ」のいい製品を大量にばらまくという従来のビジネスモデルが通用しなくなっているのです。戦後、日本企業は、日本人の渇望感を満たそうとするところからスタートしました。それをいかにうまく高品質で安く、大量に生産・販売できるか、ということが企業にとってのイノベーションでした。また、日本の消費者はとてもこだわりが強いため、日本人に気に入られる製品を作れれば、そのまま海外に持っていって売ることもできました。日本人のニーズがその後世界で花開くニーズを先導していたわけです。

 しかし、日本企業がそういった形で生み出すイノベーションは、80年代の初頭にピークを迎えました。その後はバブルを経て現在に至るわけですが、この間、日本企業は進化してきたと言えるのかどうか、はなはだ疑問です。むしろ、この30年間、日本企業はずるずると緩慢に坂道を滑り落ちてきたのではないでしょうか。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師