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日本企業のグローバル化は「ラストチャンス」なのか?

特別対談 常盤文克(花王元会長)×ドミニク・テュルパン(IMD学長)前編

2012年5月23日(水)

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 「グローバル化」が日本企業の課題として指摘されるようになって久しい。そうした中、外国人トップが誕生したり、社内公用語として英語を採用したりといった動きも出てきているが、依然として外国人の登用などは進まず、課題であり続けている。

 グローバル化にどう取り組めばいいのか。欧州屈指の経営大学院(ビジネススクール)であるスイス・IMDのドミニク・テュルパン学長と元花王会長の常盤文克氏が2回にわたって語り合う。

 この4月に新著『なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか―世界の先進企業に学ぶリーダー育成法』(日本経済新聞出版社)を出版したテュルパン学長は、日本企業にとってのグローバル化は今がラストチャンスだと指摘し、これまで失敗してきた原因を探り、海外の先進企業の取り組みに学ぶことが急務だと説く。

 一方、常盤氏は日本企業のグローバル化は始まったばかりだと主張。問題点を指摘しつつ、いたずらに危機感を持つよりもグローバル化によって訪れる明るい未来を思い描くべきだと語る。

(構成は、秋山 基=ライター)

まず、日本企業がグローバル化でつまずいている理由や背景について、改めてお考えをうかがえますか。

テュルパン:日本がグローバル化でつまずいている理由は3つあります。

 まずは、これまで日本の国内市場が十分に大きかったこと。そのため、日本企業は主として国内市場で売れるものを作り、世界中に商品を届けるという発想をあまり持ってきませんでした。その結果、外国の企業にマネをされて、世界で売られてしまうといったこともありました。

 次に、日本では長年、製造業が強く、品質面で世界と競争してきたことです。日本企業が世界に出ていった第一波は、製造業を中心とした動きであり、彼らは確かに欧米企業を出し抜きました。しかし、この20年で欧米や新興国のメーカーに品質面で追いつかれてしまいました。

 そして3つ目は、地理的、歴史的、言語的な理由です。日本は島国であり、大抵の日本人は外国人と接触する機会が少なく、日本語だけを話します。こういったことなどが原因で日本企業のグローバル化は遅れたと私は見ています。

 IMDが毎年発表している世界競争力ランキングに、「ビジネスの効率性」という項目があり、2011年版では、日本は、世界59カ国・地域の中で27位でした。

 このランキングには、各国のビジネスリーダーの意識調査(自己採点)の結果が反映されているのですが、日本のビジネスリーダーの自己採点は、起業家精神が圧倒的に不足していて、海外のアイデアを受け入れようとせず、柔軟性や順応性に欠け、国際経験も不十分、経営層の有能さについても自信がない、というかなり低いものです。自分たちが世界で勝てない理由を一番よく知っているのは、日本人自身かもしれません。

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