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「同質競争」は企業を弱めるどころか逆に強める

競争戦略論を再考する【最終回】

2012年5月31日(木)

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 ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターといった経営学の大家が著した“古典”を読むだけでは、複雑さを増している現代のビジネス現象を解明し、競争を勝ち抜く戦略を見いだすことはできない。現在進行形の事象から得られた最新の知見を学び、戦略を組み立てることが必要だ。

 このコラムでは、気鋭の経営学者たちが現代経営学の最先端の世界へと誘う。まずは、ポーターらが確立してきた競争戦略論の新潮流について、4人の俊英に解説してもらう。

 今回も引き続き、学習院大学経済学部経営学科の淺羽茂教授に登場していただく。同教授は「競争とは企業間のインタラクション(相互作用)である」と説き、戦略を構想するプロセスを研究者と実務家が共有する仕組みについて語る。

(取材構成は、秋山 基=ライター)

前回から読む)

前回は戦略構想プロセスの重要性についてうかがいました。そうした視点も含め、競争戦略論に新たな考え方が出てきているのは、どうしてでしょうか。

淺羽:日本に関して言えば、1つには、バブル崩壊以降、従来とは異なる戦略を打ち出す必要があるにもかかわらず、日本企業がなかなか成長戦略を描けないでいるからでしょう。

 誤解を恐れずに言えば、バブル経済の絶頂期まで、日本企業には戦略は必要ありませんでした。経済全体が成長していたので、企業はそれぞれの得意分野で頑張っていれば成長することが可能だったからです。その総和として日本経済がさらに成長するという好循環が回っていました。ですから、企業はわざわざ戦略を作る必要はなかったし、トップが戦略的な決断を迫られることもなかったのです。

戦略構想の訓練を受けてこなかったトップたち

 ところが、バブル崩壊によって、その好循環はストップしました。以来、1990年代前半から2000年代前半にかけて「失われた10年」が続くわけですが、その頃の日本企業のトップは、概して各社の本流出身者でした。一番強い事業ですから、ぎりぎりの戦略的な意思決定をしなくても、成功を積み上げることができたのでしょう。つまり、トップになる前に、戦略的判断をする経験を十分に積んでいなかったと考えられるのです。

 そういうトップたちへのバッシングも起きましたが、彼らは、伊藤忠商事元会長の丹羽宇一郎氏の言い方に倣えば、「おみこしで担がれていただけ人たち」であり、戦略構想力が身についていなくて当然だったのです。

コメント1件コメント/レビュー

「選択と集中」によって、技術や人材といった成長のエンジンを失う羽目になった、というのは「選択と集中」の方針が間違っていただけではないか? 会社が事業毎の評価をする場合、①技術的には熟成しきっている分野ではあるが、高い市場占有率を維持している、②技術的には熟成しきっている分野で競合も多く、市場占有率も低い、③新興の技術やビジネスで、将来性も大きく期待されている、④新興の技術やビジネスだが、将来性の有無は未だ判断出来ない、といったエリアに分けられる。整理の対象となるのは上記の②であり、その他はその時点での採算性だけで判断してはいけない事は常識だと思う。④のエリアは将来性が分からないので、判断が難しいが、会社の体力が不十分な場合は期限を定めて判断すれば良い。いくら将来性のあるビジネスの芽を育てても、会社が破綻してしまえば元も子もない。(2012/05/31)

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「選択と集中」によって、技術や人材といった成長のエンジンを失う羽目になった、というのは「選択と集中」の方針が間違っていただけではないか? 会社が事業毎の評価をする場合、①技術的には熟成しきっている分野ではあるが、高い市場占有率を維持している、②技術的には熟成しきっている分野で競合も多く、市場占有率も低い、③新興の技術やビジネスで、将来性も大きく期待されている、④新興の技術やビジネスだが、将来性の有無は未だ判断出来ない、といったエリアに分けられる。整理の対象となるのは上記の②であり、その他はその時点での採算性だけで判断してはいけない事は常識だと思う。④のエリアは将来性が分からないので、判断が難しいが、会社の体力が不十分な場合は期限を定めて判断すれば良い。いくら将来性のあるビジネスの芽を育てても、会社が破綻してしまえば元も子もない。(2012/05/31)

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