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BCPに命を吹き込め

「本当の備え」に必要なこと

2012年6月13日(水)

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 昨年の東日本大震災では、それまでにBCP(事業継続計画)を策定していたにも関わらず、実際には活用し切れなかったという企業が相次いだ。いったい何が問題だったのか。今後、新たな計画を策定する際にはどんな点に注意したらいいのか。野村総合研究所の山口隆夫グループマネージャーに聞いた。

昨年の東日本大震災は、BCPに対する多くの企業の姿勢を変えました。

野村総合研究所の山口隆夫グループマネージャーは、この1年で企業のBCPに対する姿勢が変わったと話す

山口:今年2~3月ごろから、コンサルティングの依頼はそれまでの倍に急増しています。昨年は地震以外にもタイの洪水があって、製造業中心にサプライチェーンの断絶が各社の事業に大きく影響しました。昨年はその時々で対応策を発表していれば済みましたが、今年は多くの企業の株主総会で、事業継続に関わる質問が出ることが予想されます。それに備えて、きちんとしたBCPを立てようとしているのではないでしょうか。

 震災前にも何かしらのBCPを紙などにまとめていた企業は、大手中心に少なくありませんでした。ですが中身を見ると、避難の方法といった初歩的なことしか定めていなかったのが実態です。「対策はとっています」という対外的なポーズに終始していた面があります。

 当然、そういった類の計画は昨年の震災で役には立ちませんでした。今は、計画をいかに実効性のある計画にするかという取り組みが広がりつつあります。そういった意味で、今年は“本物”のBCP元年になると思います。

計画には経営理念が不可欠

実際に役立つBCPを作るためには、どんなことが必要でしょうか。

山口:まずは経営トップ自らが、もっと主体的に関わらなければなりません。今はまだ、総務部やCSR(企業の社会的責任)関連部署の担当者に一任しているケースがほとんどです。

 ですが重要拠点が被災したとき、「どの事業を動かし、どの事業を止めるのか」といった判断の基準を、総務などの担当者が決められるでしょうか。権限の範囲で仕事をするため、担当者レベルで定める対策は、連絡手段や食料・飲料の確保、避難方法などにとどまりがちになります。それでは実効性のあるBCPとは言えません。

 BCPとは突き詰めていけば、経営理念や社是などに深く関わっていきます。

 あるインフラ会社の役員は「供給を守るのが最優先課題であり、復旧のために従業員が危険を伴う作業をするのはやむをえない」と話していました。一方で「従業員個人の尊重を理念に掲げている以上、安全は担保する必要がある」という競合他社もあります。災害時にはこういった絶対の正解がない二者択一の判断を求められるため、経営陣は哲学的な議論を通じて、理念的な後ろ盾を築く必要があります。

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「BCPに命を吹き込め」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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