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役所仕事は機会損失のヤマだった

大阪府と市の統合で見えたのは、“ビジネスセンス”の必要性

2012年6月19日(火)

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 昨年11月のダブル選挙で、大阪市長に「大阪維新の会」の橋下徹氏、大阪府知事に松井一郎氏が当選し、大阪市と大阪府とを統合再編する「大阪都構想」の行方に注目が集まっています。橋下氏の発言に注目は集まっているが、実際に大阪都では何がなされようとしているのか。今回の連載では、ブレーンとして活動している上山信一氏(大阪府、大阪市の両方の特別顧問)と、それぞれのテーマを担当した特別顧問や参与を招き、民間の経営コンサルタントが大阪府と市の活動をどのように評価してきたのかを聞いた。

 第1回は、まず上山氏に概要をまとめてもらう。(聞き手は、伊藤暢人)

いわゆる「大阪都構想」という名前はよく聞きますが、実際にはどのような組織がこの構想を実現に向けて動かしているのですが。その中で上山さんはどのような立場なのですが。

上山:大阪府と大阪市は共同で「大阪府市統合本部」を作っています。この統合本部は選挙後の2011年12月、大都市制度のあり方など府市共通の課題について協議し、重要事項の方針を決めるために府と市が共同で設置した組織です。

上山 信一氏
慶応義塾大学総合政策学部教授。1957年大阪市生まれ。京都大学、米プリンストン大学卒業。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者を経て、現職。大阪府・市の特別顧問として橋下徹知事の参謀役を務める。
(写真:都築 雅人)

 私は現在、大阪府と大阪市の特別顧問として、都構想の実現に向けたお手伝いをしています。

 統合本部について簡単に説明すると、機能は大きく4つに分かれます。1つ目は「統合本部会議」、2つ目は統合対象と分野ごとに設置された「プロジェクトチーム」や「タスクフォース」、3つ目は重要政策課題に関して議論するための「会議体」、そして4つ目が「本部事務局」です。

 第1の統合本部会議は橋下、松井のツートップのほか、主要な特別顧問が出席する会議です。議題によって、府と市の各局の担当幹部や副知事、副市長、あるいは担当分野の特別参与も出席します。

 統合本部会議は6月19日までに15回開催されました。1回2~3時間にわたってツートップが公開の場で大阪の未来について語っています。多忙を極める中、多大な時間をこの会議に割いていることを見ても、2人がいかに府市統合にエネルギーをかけているかがわかるでしょう。

 1月の統合本部会議では主に教育基本条例と公務員基本条例について議論しました。教育委員、府と市の総務局長、総務部長らが参加し、条例の案文をめぐって、喧々囂々の議論を続けました。その後は、大阪の将来の交通や電力政策、あるいは上下水道や地下鉄、病院、港湾、ごみ収集の事業の統合や民営化について議論しています。

 統合本部会議は実務協議の場で、参加者が言いたいことを言っています。その場にいる知事と市長が賛成するものについては「よし、これでいこう」と決断しています。結果として、事実上の最高決定機関になっていると言えるでしょう。

次第に都構想の姿が見えてくる

 第2の「プロジェクトチーム」や「タスクフォース」ですが、このメンバーは統合対象となる各組織の職員から構成されます。例えば大学統合のタスクフォースチームであれば、府立・市立の両大学の学長や幹部教職員、府庁、市役所の担当職員などが参加します。ここに特別顧問や参与が参加し、民間の第三者の視点で助言をしています。

 第3の会議体は、現在のところ、「都市魅力戦略会議」、「エネルギー戦略会議」、公立大学の統合を考える「新大学構想会議」の3つが動いています。メンバーは特別参与、特別顧問など外部委員が中心です。これは通常の審議会や懇談会に相当するものです。出てきた提言は統合本部会議にかけられ、あるいは議会でも審議して最終的には府市の各部局の計画に反映されていきます。

 第4の本部事務局は府と市の中堅クラスの職員から成ります。仕事は大きく2つ。1つは都庁の組織や財政制度などを設計する作業。もう1つは事業統合の作業で、タスクフォースやプロジェクトチームによる作業の進ちょくを管理します。

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「役所仕事は機会損失のヤマだった」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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