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「資産が豊富だから国債消化に不安はないんじゃないの?」

第3回 永続しない「貯蓄と海外」頼みの構図

2012年6月27日(水)

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 前回は「まずは歳出削減を!」「今は増税すべきではない!」との見解に対する五十嵐文彦・財務副大臣の反論を聞いた。3回目の登場となる今回は、「日本の国債の買い余力はまだ十分にあるのでは」という問いを五十嵐副大臣にぶつけてみる。果たして、どのような答えが返ってくるだろうか。

確かに日本の財政赤字は巨額ですが、1500兆円近い日本の金融資産があるので国債の国内消化に問題はない、との見解をよく耳にしますが。

五十嵐:これまで、1000兆円を超える豊富な国内貯蓄を背景に、低い金利水準で安定的に国債を国内中心に消化してきたのは紛れもない事実です。しかし、家計の金融資産は高齢化の進展による貯蓄の取り崩しなどで伸び悩む一方、国と地方の長期債務残高に国庫短期証券分などを加えた一般政府総債務残高は増加の一途をたどっています。

「政府の金融資産・負債残高」

五十嵐:ちなみに、2011年12月末の家計金融総資産は1483兆円、そこから住宅ローンなどの負債を差し引いた家計金融純資産は1127兆円です。

 問題の2011年12月末の一般政府総債務は1099兆円まで増えており、いずれ逆転する日も遠くないといえます。ただ、逆転したら直ちに日本の財政がアウトになるわけではありません。企業などの金融資産もありますから、直ちに問題が生じるとは言いませんが、今後も安定的に国債を消化できるのか、どんどん危険水域に近づいているのは間違いありません。

「『国債保有の93%が国内』でも安心できない」

でも、国債保有者の93%は国内部門ですよね?そこは、ほかの国とは異なりませんか。

五十嵐:ストックベース(保有ベース)でみると、確かに国債保有の93%は国内部門です。ただ、フローベース(取引ベース)では、その3~4割が海外投資家です。

 仮に、国債に対する信認が揺らいで日本国債の格付けが下がる事態になれば、海外保有者が国債を一気に売却に動く可能性があります。そうなると、国債市場が大混乱し、金利が急上昇する恐れもあります。

 ちなみに、海外の機関投資家や格付け機関の関係者と話していると、「現在の日本国債の格付けは、社会保障と税の一体改革をすでに織り込んだもの」との認識です。つまり、消費税による増税の余地があると見られていることが、日本国債の価格安定や安定消化の背景にあります。

 海外からのこうした視点をどうして重視しないのでしょうか。仮に消費増税の余地を長期的に否定してしまうと、その時点で市場の信認が損なわれ、財政危機が顕在化してもおかしくありません。それは、当然、実体経済にも大きく影響します。

コメント29

「成立直前!消費増税のギモン、財務副大臣が全部答えます」のバックナンバー

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「「資産が豊富だから国債消化に不安はないんじゃないの?」」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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