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「破綻して初めてJALの社員になれた気がする」

その1 客室乗務員、太田優美さん(28歳)の場合

2012年7月3日(火)

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 2010年1月19日、日本航空(JAL)は会社更生法の適用を申請し、経営破綻した。その後、京セラ創業者の稲盛和夫氏の元で会社の建て直しが始まった。稲盛氏が紡ぎ出した「アメーバ経営」の骨子となる「部門別採算制」と「フィロソフィ教育」を両輪とした企業再建により、破綻から2年余りでJALは過去最高の営業利益を出すまでに再生した。

 日経ビジネス2012年7月2日号「世界の空、争奪戦」ではJALの破綻から再生までの道のりと現在の課題を分析している。この2年余り、現場の社員たちは何を思い、どのように仕事に取り組んでいたのか。破綻した航空会社を現場で支え続けた人々に証言してもらった。

 「JALの社員でいて本当に良かった。破綻を経験してから、みんなが同じ目標に向かって一緒に進んでいる」。再生への道のりで、最近はこう感じることが増えました。

 2006年、私は客室乗務員としてJALに就職しました。実は就職活動で受けた航空会社はJALだけです。他は商社やメーカーを中心に回っていました。

 採用試験を受ける中で、人事の方々から話を聞くうちに、接客という仕事に興味が沸いてきました。大学では国際ビジネスコミュニケーションを学んでいましたから、そこで勉強したことも客室乗務員の仕事で生かせるかもしれないと期待をしました。JALには、子供の頃に乗った経験しかなかったのですが、その時の印象も強かったのかもしれません。

客室乗務員の太田優美さん(28歳、写真中央)。「JALフィロソフィ」の中で好きな項目は、「常に明るく前向きに」(写真:山本琢磨)

 客室乗務員は入社後、2カ月の訓練を受けてから国内線の乗務を始めます。最初の3年間は契約社員として、国内線で飲み物サービスや機内販売、保安作業などの基本を徹底的に学びます。

正社員になった矢先に経営危機に

 契約期間を終え、2009年から正社員として国際線に乗務し始めた矢先に、JALの経営が大きく傾きました。2009年の夏ごろから、新聞やテレビの報道では、連日のようにJALの経営危機が報道されるようになりました。

 けれども、私たちのところに、会社から情報が届くようなことはありませんでした。どんな情報も、会社から聞くよりも、ニュースで知る方が早かったんです。

 「うちの会社、大丈夫かな」。不安になって、先輩に聞いたこともあります。ただその時は誰も、事態をあまり深刻にはとらえていませんでした。「つぶれることはないんじゃない」という話を聞いて、何となく安心していました。

 その後、2009年末ごろには周囲の同僚からも、「本当にやばいかもしれない」という声が漏れるようになります。私も自分がどうなるのか心配だったし、何より1つ下の後輩が気になりました。彼女たちは、ちょうど3年の契約期間を終えて、来年には正社員になれるのです。その直前に会社が倒産したりするとどうなるのか。心配したことを覚えています。

 同時に2009年頃から、会社では早期退職が何度も募集されました。ここで尊敬していたベテランの先輩が次々と社を去っていったのです。

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「「破綻して初めてJALの社員になれた気がする」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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