• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「経営破綻は夕方のテレビニュースで知った」

その3 フィロソフィ教育担当、川名由紀さん(27歳)の場合

2012年7月6日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2010年1月に会社更生法の適用を申請し、経営破綻した日本航空(JAL)。京セラ創業者の稲盛和夫氏の元、破綻から2年余りで同社は過去最高の営業利益を出すまでになった。日経ビジネス2012年7月2日号「世界の空、争奪戦」ではJALの破綻から再生までの道のりと現在の課題を分析している。

 一方で、現場の社員たちはこの2年余り、何を思い、どのように仕事に取り組んでいたのか。破綻から再生まで現場を支え続けた人々に証言してもらった。

 「JALフィロソフィができて、1年経ちました。徐々に浸透してきた一方で、まだ必要ないと思う人がいるのも事実です。そもそもJALフィロソフィは何のために作られたのか。原点に戻って、もう一度考え直してみましょう」

 こんな風に、JALグループの社員に向けて、「フィロソフィ教育」をするのが今の私の仕事です。

 JALは経営破綻後、京セラから稲盛名誉会長がいらっしゃいました。部門別採算制などの経営改革と平行して、稲盛さんが力を注いだのが社員の意識改革です。破綻後、JALの経営幹部や社員がどういう風に意識を変えていったのか。もしかすると、一番間近で見ていたのは私かもしれません。

フィロソフィ教育を担当する川名由紀さん。2010年春に意識改革推進準備室に配属され、「JALフィロソフィ」の策定にも関わった(写真:山本琢磨、以下同)

倒産をテレビのニュースで知った

 2007年にJALに入社して、私は関西国際空港に勤務していました。もともと集団競技が好きで、色々な職種の人が団体スポーツのように業務に携わる航空会社は、就職活動の時から興味があったんです。

 JALと全日本空輸(ANA)両方の採用試験を受けて、JALに入社しました。当時、ちょうどJALは安全問題などでメディアから厳しい追及を受けていました。少し躊躇しましたが、採用担当者の方々と話をすると、みなさんが「日本の翼を担う」という誇りを持っていた。これに憧れて、入社を決めたんです。

 経営破綻するまでは、私もほかのみんなと同じように、JALの経営を人ごとのように感じていました。まさか自分の会社が倒産するとは思っていなかったし、資金繰りは私とは関係のない手の離れた世界のことだと思っていました。「毎日のフライトさえ、守っていればいい」。そんな気持ちで働いていました。

 2010年1月19日。この日、私は公休日でした。JALが会社更生法の適用を申請をしたという事実は夕方のテレビのニュースで知ったのです。最初はもう、何が何だか分かりませんでした。親や友達から「大丈夫?」といった内容のメールが次々に来て不安を募らせました。

 翌日に出社すると、上司はこう説明してくれました。「飛行機は止まらない。飛ばしながら更正していく」。

 ほっとしたことを覚えています。何をすればいいのか分からないけれど、通常業務は破綻前と同じように続く。自分の会社が倒産したという事実を消化しきれないまま、普段と変わらず仕事を続けていたのです。

 転機は2010年5月に訪れました。人事異動で「意識改革推進準備室」という部署に配属されたのです。当時の所属メンバーは私を含めて4人。私以外はみなさん40~50代の先輩社員でした。

 部署の役割は、社員の持つべき価値観を整理して、意識教育などを始める準備をすることです。一体何をするのか想像も付きませんでしたが、私の戸惑いをよそに、改革は進んでいきました。

コメント13件コメント/レビュー

JALには最近乗っていないのですが、厳しい意見が多いですね。記事としては従業員の本音が聞けておもしろかった。会社の経営状態を把握している従業員てどのくらいいるのでしょうか。自分の守備範囲内でのコスト意識を持つことは当然ですが、会社全体に関わることとなれば経営者の領域です。日本航空が破綻したのは従業員のせいでもなく労働組合の責任でもありません。経営者の舵取りがうまくいかなかったからです。(2012/07/09)

「ドキュメント 現場から見るJAL再生の軌跡」のバックナンバー

一覧

「「経営破綻は夕方のテレビニュースで知った」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

JALには最近乗っていないのですが、厳しい意見が多いですね。記事としては従業員の本音が聞けておもしろかった。会社の経営状態を把握している従業員てどのくらいいるのでしょうか。自分の守備範囲内でのコスト意識を持つことは当然ですが、会社全体に関わることとなれば経営者の領域です。日本航空が破綻したのは従業員のせいでもなく労働組合の責任でもありません。経営者の舵取りがうまくいかなかったからです。(2012/07/09)

毎回毎回生温い作文のオンパレードで、かえってイメージダウンさせてませんか。いまだJALはお客様のほうではなく会社の中にしか目を向けていないということが、よくわかってしまいました。稲盛氏も危惧しているようだが、まさに「今がピーク」ってことじゃないかと。数年後には答えがでますね。私は絶対に株を買おうとは思いません。(2012/07/08)

で,JALフィロソフィーって何なの?紙の話,瑣末どころか,今まで,そんなこともやってなかったの?社員が贅沢しながら利益が出る会社,JAL: 素晴らしい!(2012/07/07)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長