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老朽化した病院の建て替えに、無理やり黒字化するプランを描いていた

府市統合で、必要な病院の維持と投資効率を見直すことがやっと可能に

2012年7月17日(火)

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 上山信一氏(慶応大学総合政策学部教授)は大阪府・市の特別顧問を務める。現在、府市統合本部は「大阪都構想」の実現に向けて、府・市の主要事業の民営化、統合プランを作成中である。上山氏はかつてマッキンゼー社などで一緒に仕事をした経営コンサルタントたちの力を借りて各事業の生産性、経営形態などの評価を行っている。前回前々回はモノレール事業について考察した。

大嶽 浩司氏。医師の免許を持ちながら経営コンサルタントを経験。現在は自治医科大学地域医療政策部門准教授、医師、大阪府・市の特別参与

 そのほかにも、統合と改革の対象となる事業は数多いが、その1つに、府立と市立の公立病院事業がある。5月末、府市統合本部は病院事業の改革の方針を発表した。それによると市立3病院を運営する大阪市病院局を2014年度までに「地方独立行政法人」とし、2015年度までに府立5病院を経営する独法の「大阪府立病院機構」と経営統合する。また府立病院や市立病院で働く医師、職員ら約5300人は非公務員化されることになった。

 また法人の統合に先立ち、2015年までに老朽化している市立住吉市民病院(住之江区)と近くの府立急性期・総合医療センター(住吉区)に機能集約して新病棟を同センター敷地内に建てることも決めた。

 今回は府と市の特別参与として、府市病院の経営統合案をまとめた大嶽浩司・自治医科大学准教授(経営コンサルタント、医師)に登場していただき、公立病院事業の改革について、議論のポイントなどを語ってもらった。(聞き手は、伊藤暢人)

今回は5月末に発表された大阪府市公立病院の経営統合についてお話をお聞きします。まず、府と市を統合する「大阪都構想」において、病院事業はどのような位置付けにあるのかを教えてください。

上山:府と市の統合を考えた時、病院事業は真っ先に検討すべきテーマの1つでした。なぜなら患者からみたら府立か市立かはどうでもいいのです。現在、大阪には府立病院と市立病院が両方で8つあります。それぞれ立派に役割を果たしていますが、互いの近所に病院があっても、お互いバラバラにやってきました。経営統合して適正配置すれば機能もアップし、無駄も省けます。

 公立病院統合のポイントは3つあります。第1には病院を経営する法人の統合です。理事会や事務部門を1つにする。そして大阪全体の観点にたって公立病院の役割を見直す。

 第2に病院そのものの再編。たとえば府立病院Xと市立病院Yが近所にあって、同じ機能を持つならば、ひとつに統合して強化するといった選択がありえます。

 第3に民間も含めた府域全体の医療資源をどう有効活用するかという点です。過疎地と違って、大阪はむしろ医療の供給過剰地域です。大学付属病院、民間病院、クリニックなどいろいろある。大阪の医療ニーズがどれだけあって、民間、大学病院もたくさんある中で公立病院の果たすべき役割を考え直す。大阪都が誕生して都立病院になった時、都の医療政策で都立病院はどのような役割を果たすべきか。もしかしたら不要かもしれないという検討です。

医師の言葉がわかるコンサルタント経験者を迎えた

 現在、大阪府と大阪市の担当部門から成る病院タスクフォースチームがこうした3層にわたる、複雑なテーマを検討しています。しかし医者は技術屋の最たるもので専門用語がいっぱい出てくる。行政学では「情報の非対称性」というのですが、医者にしかわからないこと、政治家や行政マンには判断できない事柄も出てきます。そこで、大嶽さんに特別参与として参加してもらうことにしました。

 大嶽さんは臨床医として勤務する傍ら、シカゴ大学のビジネススクールでMBA(経営学修士)を獲得し、マッキンゼーで経営コンサルタントをやった経験があります。都内で病院改革をやったこともあり、現場の実務にも詳しい。医者と議論し、屁理屈が出てきたら論破してもらうのに格好の人材です。

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「老朽化した病院の建て替えに、無理やり黒字化するプランを描いていた」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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