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「『白い滑走路』に憧れてJALに入社した」

ベテラン整備士、加藤芳則さん(55歳)の場合

2012年7月13日(金)

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 2010年1月に会社更生法の適用を申請し、経営破綻した日本航空(JAL)。京セラ創業者の稲盛和夫氏の元、破綻から2年余りで同社は過去最高の営業利益を出すまでになった。日経ビジネス2012年7月2日号「世界の空、争奪戦」ではJALの破綻から再生までの道のりと現在の課題を分析している。

 一方で、現場の社員たちはこの2年余り、何を思い、どのように仕事に取り組んでいたのか。破綻から再生まで現場を支え続けた人々に証言してもらう。

30年以上、整備士として働いてきた加藤芳則さん。JALフィロソフィの中でも「有意注意」という項目を意識している

 「白い滑走路」というテレビドラマを知っていますか。1974年に放映されたTBS系列「白いシリーズ」の2作目だったと記憶しています。俳優の田宮二郎がパイロットを演じていました。彼が操縦席に座って「ギアダウン」と言う姿は今でもよく記憶しています。実は私は、このドラマを見てJALへの入社を決めたんです。

 ドラマが放映された当時、私は高校3年生でした。「白い滑走路」で次のような話があったんです。

 ある日、機材のトラブルが発生して整備士が呼ばれる。フライトまでの時間が迫る中、その整備士はある程度まで修理を進めました。だがキャプテン役の田宮二郎から、「もう時間がないから、飛ばそう。続きはフライトの後でも大丈夫だ」と言われてしまう。けれどもその整備士は頑なに首を縦に振らなかった。「自分は整備士として乗客の命を預かっている。納得するまで整備ができないなら飛行機は飛ばさせない」。確かそんな風な台詞を口にして、整備完了の書類にサインを書かなかった。

クラスメートの多くは国鉄に入社したが

 その姿が、高校生の私には非常に格好良く映った。職人としての誇りのようなものを感じて、飛行機の整備士に憧れるようになったんです。

 通っていたのは工業高校で、クラスの半数は卒業後、国鉄に入社します。けれども私はその整備士の姿が忘れられず、JALの採用試験を受けました。そしてドラマ放映の翌年、1975年に整備士として無事に入社できたのです。あのドラマがなければ、私は今、ここで働いていないでしょう。

 整備士は機材の種類ごとに資格を取得します。私が入社した70年代は、航空業界で機材の大型化が進んでいた時期でした。米ボーイング社のジャンボジェットが色々な航空会社に配備され始めた。機材の大型化が進めば、整備士も大勢必要になります。そこで私もジャンボ機の客室整備士として修行を積んでいったのです。

 当時はJALにジャンボ機が次々と導入されることが誇らしかった。機材は、クラシックジャンボからハイテクジャンボへ進化していく。「次の飛行機はどれだけ進化しているのか」。そんなことが楽しみでした。

 そのジャンボ機がまさか将来、退役するとは思ってもいませんでした。大量輸送時代が終わり、燃費効率の悪いジャンボがJALの経営を苦しめるとも。ボーイング747-400を売却するための整備業務を自分が担うなんて、想像もできませんでした。そういう意味では、ジャンボ機をメーンに担当してきた私の整備人生において、JALがB747-400を退役させたことは、大きな転換点だったと思います。

コメント7件コメント/レビュー

一度、倒産して良かったですね。日の丸フラッグJALの誇りを更に発展させて、より質の高いサービスの提供に努めてください。応援しています。(2012/07/17)

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「「『白い滑走路』に憧れてJALに入社した」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

一度、倒産して良かったですね。日の丸フラッグJALの誇りを更に発展させて、より質の高いサービスの提供に努めてください。応援しています。(2012/07/17)

個々の職員がそれぞれの持ち場で頑張っていらっしゃることは感じ取れます。ただ、管理職レベルではどうなのでしょう。自分たちが一民間企業以外の何ものでもないという事実を心底から認識できているのでしょうか。また、世間を呆れさせていた5つも6つもあった労働組合はまともな一つの団体にまとまったのでしょうか。巷には、稲盛氏がJALを去られたら瞬く間に後戻りすると予感している人は少なくありません。個々の職員の胸の内を聞くことはいいのですが、あまりビジネス上の参考にはならないと感じています。(2012/07/16)

親方日の丸の世代の方なので、いままでそんな意識だったのなら会社もつぶれるのは当然だと思います。今の業績が良いのも、更生法で借金棒引きや法人税の減免の効果と言えるので、そんなに誇らしげに言えることでもないと思います。むしろ、ANAと比べるとこの業績は不公平でずるいと思います。(2012/07/15)

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