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ギリシャ問題とAKB総選挙の意外な共通点とは?

2012年7月17日(火)

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 『もしドラ』を執筆した岩崎夏海さんと、その『もしドラ』を中国語に翻訳した加藤嘉一さん。中国や台湾でもヒットした『もしドラ』をケーススタディに、日本のソフトパワーの価値について語っていただいたところ、話は意外な方向へ展開しました。

 ポストモダンの社会において、富を追求するマインドが減退した結果、ギリシャの信用不安やAKB総選挙の隆盛が起こった!?

(前回記事はこちら

日本のソフトパワー、文化の発信についてさらに掘り下げていきたいと思います。文化面における日本の強みとはどのようなものであるとお考えですか。

岩崎:僕は日本という国は、文化の面において特異な地位にいると思います。それを実感したのは、1999年ごろです。そのころ僕は、事情があって貧乏をしていました。年収が100万円を切るくらい。そういう状況でも、武士は食わねど高楊枝じゃないですが、文化的な生活は欠かさなかった。朝日新聞社が発行していた世界文学についての500円のムックを毎週買うのが唯一の楽しみでした。

岩崎夏海氏(左)と加藤嘉一氏(右)(撮影:中野和志、以下すべて)

 そのムックは、『ドン・キホーテ』や、『罪と罰』や、『源氏物語』といった世界中の歴史的な名著について解説しているんです。読むと非常にワクワクさせられる。そして、その歴史的な名著が読みたくなって、古書店に行って探していました。当時は東京のはずれの日野市に住んでいたのですが、クルマで10分くらいのところにある店に行って。すると、ローマのカエサルが書いた『ガリア戦記』だって見つかるんです。しかも、岩波文庫版が100円で買えてしまう。年収100万円以下だって100円の文庫は買えますから。2000年以上前に書かれた作品に簡単にアクセスできるというのは、すごいことです。

日本ならではの強みは「国民性」と「翻訳文化」

加藤:外国の人が日本に旅行に来たときに、何が観光資源になるかと考えたら、私は日本の「国民性」だと思うんですね。街角でも親切にしてくれる“おもてなしの心”や、地下鉄でみんながマナーを守る様子などに感動する外国の人は本当に多い。これを文化として発信することには大きな意味があります。特に中国は、そこまで社会が成熟していませんから、感動する。

そういった強みは日本独自のものでしょうか? どのようにして育ってきたのでしょう。

岩崎:日本には豊かな翻訳文化があるんですね。もちろん、昔は中国から入ってきた書物を翻訳していました。第2次世界大戦後は、外国の文化をもっと多様に受け入れなければならない状況に直面した。そこで節操なく、なんでも翻訳することを選択したんですね。それが2000年ごろまで続きました。2000年くらいからは、出版社はかつてほど積極的に翻訳書を出そうとしなくなったんですけどね。

 世界中のあらゆる書物を翻訳しようなんて国はほかにはないですよ。これが日本の優位性だと思います。この優位性を生かして、日本から素晴らしい作品がこれから立て続けに生まれるでしょう。ひょっとしたら、何百年かたった後で、この時代に日本で豪華絢爛な文化が花開いたといわれるようになるかもしれません。

コメント3件コメント/レビュー

『ギリシャを訪れることと確かに共通点はあるかも知れないが、同時に「質」と「量」の違いもある。』このコメントをかかれた方は、ギリシャの歴史遺産のうち目立つ所だけご覧になられたのでしょうか?ギリシャやイタリアは、歴史遺産の質だけでなく、量も圧倒的ですよ。団体観光で表面だけ見て、層の厚さまで目が行き届いていないようで・・・(2012/07/18)

「【特別対談】岩崎夏海さん×加藤嘉一さん」のバックナンバー

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「ギリシャ問題とAKB総選挙の意外な共通点とは?」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

『ギリシャを訪れることと確かに共通点はあるかも知れないが、同時に「質」と「量」の違いもある。』このコメントをかかれた方は、ギリシャの歴史遺産のうち目立つ所だけご覧になられたのでしょうか?ギリシャやイタリアは、歴史遺産の質だけでなく、量も圧倒的ですよ。団体観光で表面だけ見て、層の厚さまで目が行き届いていないようで・・・(2012/07/18)

 お二人とも100歳まで長生きされ、日本の平和国家永続・世界平和貢献にそれぞれの立場での存在感を期待します。(2012/07/17)

AKBの件で言っている「名誉」とは「見栄」に過ぎないと思う。ギリシャを訪れることと確かに共通点はあるかも知れないが、同時に「質」と「量」の違いもある。そしてAKBは明らかに「量」だ。量が質に劣るとは必ずしも言えないが、それを一緒にすることを考え直すべきときが来ていると思うし、それが峻別できることが文化大国への第一歩ではなかろうか。(2012/07/17)

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