• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第10回「日本の政治家はネットの使い方が下手だよね」

板倉雄一郎氏との対談

2012年7月20日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本政策学校の代表理事・金野索一です。今回は、板倉雄一郎氏(シナジードライブ社長、元ハイパーネット社長)との対談です。日本のITビジネスの天才と言われ、ビル・ゲイツ氏までが、訪ねて来られた逸話を持つ板倉氏。そして“社長失格”から雌伏14年。満を持して、声のSNS事業、VoiceLink™を世界に向けてローンチされた板倉氏に、インターネットが、「金儲けの道具から、社会変革のツールへ」と変貌しつつある時代の到来において、ソーシャルメディアが政治をどう変えるのかをテーマに話を伺います。

金野:今日は、政治とインターネットいうテーマについて伺いたいと思います。そもそもの趣旨は、世の中全体のいろいろなインターネットメディアというものを世界も含めて比較してもらう。あるいは、それを政治利用した場合に、このメディアは使いやすいけれども、このメディアは政治利用には不向きだとか、各政党と各政治家が今どうインターネット利用しているかということを、板倉さんの立場で論評してもらうことです。

ソーシャルメディアの世界比較

板倉雄一郎(いたくら ゆういちろう)
1963年12月千葉県船橋市生まれ。ベンチャーキャピタル経営、企業コンサルティング、講演、執筆など活動中。ベンチャーのゼロからゼロを経験したアントレプレナー1996年、栄えあるビジネス賞を総ナメにし、ビル・ゲイツと商談、日経の一面を飾り、フェラーリに乗り、白金の一軒家に住む、絵に描いたようなサクセスストーリー。
1997年12月、ハイパーネットの倒産と自己破産。ゼロから登りつめ、またゼロに。昨年声のSNS事業・VoiceLink™を世界に向けてローンチ
著書:「真っ当な株式投資」(日経BP社)「社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由(日経BP社)「失敗から学べ!~社長失格の復活学」(日経BP社)「社長失格の幸福論」(英治出版)「ベンチャーわれ倒産す―昔、大臣賞。今、自己破産。」(小学館)「おりこうさん おばかさんのお金の使い方」(幻冬舎)

金野:まず、最初に政治を離れて、もっと俯瞰して、今、世界中にソーシャルメディアというものが盛んになってきて、大きなメジャーなソーシャルメディアが世界に展開されている。それをまず一般的に、板倉さんが提供しているソーシャルメディアも含めて、比較、論評してもらえればと思います。

板倉:僕は2つの軸があると思っています。1つは、匿名か実名か。これは極めて大きいポイントです。その次は、エクスクルーシブなのか、オープンなのか。この2つが決定的にあると思うんです。

 例えば、Facebookはトータルの数が9億を突破したと言われています。実名というルールはないんですが、結局、友達リンク、エクスクルーシブな友達関係を構築することを、Facebookの場合は当初から目的にしています。つまり、最初はハーバード大学の学生、次はケンブリッジ大学だということで、そもそもエクスクルーシブの集合である、排他的な集合であるというところがポイントです。そうすると、1つのエクスクルーシブ集団の数は当然少ない。Facebookの1利用者当たりの友達リンク数は、平均で大体200ぐらいらしい。ところが、そのエクスクルーシブがまとまっていった結果、その総量が9億になったということです。日本でも最近Twitterを抜いて、1千数百万人が利用しているという状況になってきている。

 友達と出会うためには実名でないといけないから。事実上、実名を担保している。友達と出会うために結果的に、エクスクルーシブの集合が利用目的なので結果的に実名性が高くなります。

 それに対するのがGoogle+やTwitterです。よくGoogle+をFacebookの競合と言う人が多いのですが、あれは基本的にTwitterの高度版です。要するに、フォロー・フォロワー関係です。要するに、サークルという概念で人々のリストができる。このサークルの人、このサークルの人。そのサークルに入れられたというのも、入れられた側が認知できるということなので、実は技術的、構造的にはTwitterに近い。友達リンクではなくて、勝手にフォローしたりということで。だから、Google+というのは、実はFacebookの顔をしたTwitterです。
結果、Twitterよりは実名性は高いのですが、Facebookほどではない、ということで、TwitterとFacebookがある中で、「別に要らないじゃね?」と言う人も結構いる。周りを見回してみると、実際、そうでしょう。

 Twitterは全員が匿名とは言わないけれども、かなりの率で匿名または偽名が存在する。これは、僕自身の経験からいうと、Facebookでは(事実上の実名であるため)罵声が飛んでくる率はTwitterのそれに比べて極めて低い。

 ということでいうと、大きく分けると、1点目が匿名か実名。事実上の実名。
 もう1つは、実はうちしかないのですが、声か、テキストか。これも極めて大きな違いです。

1つは、Twitterのおかげで地震のときも音声ラインはつながらないけど、テザリングはつながっていたので、マスメディアも含め、Twitterがあって助かったとよく言っていましたね。ところが、実際の被災地の人、年齢層が高くて、ITリテラシーは低い、その人たちがあんな小さい画面でTwitterをできるかといったら、厳しいと思います。ロングテールを拾うためには、テキストには限界があるだろうと。

 それから、例えば、「頑張ってくださいねw」と書いてあったときに、それ(w)がばかにして言われているのか、ほほ笑んで言っているのか、大笑いして言っているのかの区別がテキストではできないのです。従って、良く知る間柄であれば(w)のニュアンスも伝わる可能性が高いけれど、そうでない場合は誤解の元ですよね。

金野:そうですね。

板倉:そこでけんかになっているケースも実はすごく多い。140文字しかないし、文章だから、どの程度のニュアンスで言っているのかよく伝わらない。これは(文字数制限のない)Facebookでも、やっぱりある。基本、うちはホビーから政治議論まで音声ベースでやる。部屋のつくり方によってはプライベート、内輪だけでやる部屋もできるし、公開して、だれでもクリック一発で会員でなくても聞きに来る部屋もできるということです。そうなると、テキストと声の違いはすごくある。

 声同士の比較という話になると、ニコ動でもいいし、You Tubeでもいいわけだし、そうすれば映像もつくし、いろいろできるようになりますね。これがまず音声とテキストの違いとして、VoiceLink™やYou Tubeやニコ動があるわけです。VoiceLink™はその中でどう違うのかといったら、一言で「完全にインタラクティブである」ということです。世界のどこからでも、ネット環境さえあれば、ほぼディレイはない。この取材の前も、香港、ロサンゼルス、ペルー、日本で会議をずっとやっていましたが、まるで隣にいるように、これはうそでも何でもなく、できるわけですね。だから、インタラクティブで音声である。つまり、ストリーミングのインタラクティブで、かつブロードキャストができるというのは、今のところVoiceLink™が世界で唯一だと思います。

政治のソーシャルメディア活用とは

金野:2点目の論点ですが、今比較してきたソーシャルメディアを政治利用する場合のメリット、デメリット、あるいは使いやすさ、向き、不向き、そういう部分で次の論点に行きたいと思います。そういう意味で、最近のだれもが知っている例としては、「アラブの春」と言われた…。

板倉:ジャスミン革命

金野:Facebookを中心にソーシャルメディアが中東革命を起こした。いわゆるインターネット、ITというものがビジネスの領域からいよいよ社会変革、政治なり世の中を変革するツールとして……

板倉:まさにソーシャルですね。

金野:その時代になってきたということがありますが、幾つかのメジャーなソーシャルメディアそれぞれの政治利用について、また板倉さんのお考えをお願いいたします。

板倉:要は、使い方次第だと思うのです。Twitterは文字数制限があることと、コメントという概念ではなくて、並列テキストなので、1つのテーマについての議論をしにくい。見ている側も、必ずその議論に関してすべてを見ているとは限らない。ハッシュタグという機能がありますが、結局、歯抜けで見ていく。そうすると、ある主張のある部分にひっかかってしまう人というのがどうしても出てくる。

 だから、議論をTwitterでやってはいけないと僕は思うのです。議論はやはり、投稿があり、コメントが入り、しかも発言者の本人特定ができるような、Facebookのような、高度なSNSが必要だ、と僕は思います。Twitterのようなものは、基本は、「ブログをアップデートしました」とか、「どこで何を食いました」とか、「ここで講演をやります」とか、そういったことの方がむしろいい。

 変な予想を言ってしまうけれども、VoiceLink™の場合には政治家はあまり使わないと思います。なぜならすべてがばれてしまうからです。音声であり、リアルタイムの双方向ストリーミングなので、結局、突っ込まれたときに返せるんですか?という問題が出てくる。

「3・11後の政治変革」のバックナンバー

一覧

「第10回「日本の政治家はネットの使い方が下手だよね」」の著者

金野 索一

金野 索一(こんの・さくいち)

財団法人日本政策学校・代表理事 / 多摩大学経営大学院・客員教授

コロンビア大学大学院国際公共政策大学院修士課程修了。平成維新の会・政策スタッフ、政策学校・一新塾、起業家養成学校アタッカーズ・ビジネススクールの経営、公益財団法人東京コミュニティ財団評議員等を経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長