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「消費税を上げないと日本から企業や若者がいなくなる」

第4回 読者の声にお答えします(その1)

2012年7月24日(火)

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 民主党の分裂という事態に発展しながらも衆院で可決され、成立に大きく近づいた社会保障と税の一体改革関連法案。五十嵐文彦・財務副大臣に消費増税に対する様々な疑問をぶつけた前回までの連載に対し、読者から多くの反論・異論が寄せられた。その一部を基に、再び五十嵐氏に問うてみた。

「そもそも、消費増税しても全体の税収の増加につながるのか、増税により消費が落ち込むなどして、結局税収が伸びないのでは」との疑問が寄せられています。

五十嵐:そうした見方があるのは、統計の見方の間違いが原因でしょう。確かに、かつての規模の税収が回復していないのは事実ですが、基本的に、消費税率を3%から5%へ引き上げた時も、今も1%あたり約2.6兆円という消費税収は保たれています。ということは、増税しても消費は落ちていないということです。

税収の落ち込みの要因は「減税」

五十嵐 文彦(いがらし・ふみひこ)
1948年東京都生まれ。東京大学文学部卒業後、時事通信社入社。政治部記者を経て退社し、1993年日本新党公認で出馬し衆院初当選。新党さきがけ政調会長代理などを経て民主党結党に参加し、現在4期目。2010年の菅直人改造内閣の発足で財務副大臣に就任、現在に至る。民主党きっての税制・財政通の1人として知られる。(写真:都築 雅人)

 では、なぜ税収が落ちているかと言えば、1つは、1998年度、99年度に法人税率を37.5%から30%に引き下げるとともに、その後も日本の産業競争力強化を狙って、実質的に法人税率引き下げに等しい総額型の研究開発費の租税特別措置を導入したことです。これにより、実質的に減税の恩恵を享受している企業が多いのです。

 もう1つは、所得税について、累次にわたる減税を行ってきました。税収中立型以上の減税が行われた結果が反映しているのであって、仮にこれらの減税が行われていなければ、税収は消費税率アップ分だけ増えたはずです。また、地方への3兆円の所得税の税源委譲も国の税収減に影響している点も考慮すべきでしょう。

 さらに言えば、前回までに触れましたが、消費税率を3%から5%に引き上げた1997年以降に税収が落ち込んだことの要因は、この年の7月のアジア通貨危機や10月から実施した社会保険料の引き上げ、11月の山一證券の破綻などの金融危機の影響です。

 確かに引き上げ前に駆け込み需要があり、97年の4~6月期には反動減も起きましたが、7~9月期には前年同期比でプラスになりました。つまり、消費税の悪影響は反動減以外にはなかったのです。きちんと分析すると誤解は解けるはずです。

そうはいっても、内閣府が今年1月に示した試算によると、低成長の「慎重シナリオ」では、消費増税をする2014年度、2015年度だけは2013年度よりも歳出と税収との差額(新規国債発行額)が減りますが、2016年度は44兆円と、13年度の43.8兆円よりも新規国債発行額が増えます。本当に消費増税で財政健全化は進むといえるのでしょうか。

五十嵐:内閣府の試算では、今回の一体改革による消費増税分を折り込んでいますが、財政健全化については、財政運営戦略の目標として基礎的財政収支赤字対国内総生産(GDP)比が用いられており、これが2016年度にはマイナス3.0%程度となり、財政構造としては赤字半減目標の水準(マイナス3.2%)が達成できる姿になっています。

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「成立直前!消費増税のギモン、財務副大臣が全部答えます」のバックナンバー

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「「消費税を上げないと日本から企業や若者がいなくなる」」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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