• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ナンバー2のススメ~勝利条件は「仕事は自分の好きなようにやる」こと

「裏切りのサーカス」(2011年 トーマス・アルフレッドソン監督)

2012年8月2日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

身の丈を知ることが「負けない方法」になるか?

今回もよろしくお願いします。前回は「映画監督にとっての勝利条件、それは興行成績や映画賞を取ることではない、それが証拠にハリウッドの有名監督は幸せそうに見えない」、というところからのお話でした。
 お聞きしていて思ったのですが、最近は「出世やお金に興味は薄い。家族や地元の友達と仲良くやっていければいい」という人が増えているといいます。「高望みしない」ことが、映画監督の勝利条件ということになるんでしょうか。

押井:それは違うと思います。ハリウッドに行ったら勝ちというわけじゃない、という話をしたんですが、だからといって「ハリウッドとか、バカな野望は持たないで、自分の身の丈に合った映画だけを日本でしみじみやっていればいいんだ」と誤解されるとこれまた困るんですよ。「ハリウッドに行かないこと」自体が目的化されちゃうのは、話が全然違う。お前は好きな映画を撮るために監督になったんじゃないのかっていうのが、僕の言いたいことですよ。

ハリウッドでも日本でもいいから、好きな映画を撮れることが重要だと。

(写真:大槻 純一、以下同)

押井:好きな映画を100億で撮れるんだったら我慢しないでやればいい。僕にとっては、予算100億でも100万でも全く同じスタンスで映画が撮れる、というのが理想。

 監督と言うのは結局、お呼びがかかるのを待ってるだけなんですよ。「これやってみない?」といわれたときに「やる」という。それだけ。ただその時に「その代わり好きなものを撮っちゃうからね」ということが通るかどうかが重要なんであって、やりたいことが通らないんだったら100億でもやめておけば、という話なの。ここは誤解を招きやすいんだよ。

頼まれ仕事を、いかに自分がやりたいようにやるか、ですかね。

「あんたも実写の方が偉いと思ってるんだろう」

押井:僕が実写(映画)をやったときに宮さん(宮崎駿)から「アニメの監督は一生アニメを撮ってればいいのに、なんで実写なんかに手を出すんだ。結局あんたも映画青年の地が出ただけだ。実写のほうがアニメより偉いと思ってるんだろう。バカなんじゃないの」と言われたことがあるんですよ。

 辛辣だ(笑)。

押井:だけどそれはとんでもない間違い。それでさんざん喧嘩しました(笑)。アニメ監督がアニメだけやる、っていうことと「自分の分を守る」ということとは本質的に違う。

 やりたいことをやる、というのは基本的には正しいんです。ただその「やりたいことの中身」、すなわちその人にとっての勝利条件が重要なんですよ。だから、ご自分の勝利条件の中身を、ひとりでしみじみ考えてみるといいですよ。映画監督の場合なら、それは女優との結婚なのか、億単位の貯金なのか、デカい家に住みたいのか、とにかくたくさん撮りたいだけなのか。

コメント1

「押井守監督の「勝つために見る映画」」のバックナンバー

一覧

「ナンバー2のススメ~勝利条件は「仕事は自分の好きなようにやる」こと」の著者

押井 守

押井 守(おしい・まもる)

映画監督

1951年生まれ。東京都出身。大学卒業後、ラジオ番組制作会社等を経て、タツノコプロダクションに入社。84年「うる星やつら2」で映像作家として注目を集める。アニメの他に実写作品や小説も数多く手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック