• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「いじめは犯罪、警察と連携を」

現役中学教師が語る「いじめと暴力」の現実・その1

  • 三浦 拓真

バックナンバー

2012年7月30日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が昨年10月に自殺した問題で、いじめが原因との見方が強まり、社会的な関心を集めている。テレビなどでは評論家による分析が多いが、実際の教育現場ではどのようにいじめに対応しているのか。長年「荒れた」学校でいじめや暴行問題に向き合ってきた現役中学校教師、瀬田川聡氏に話を聞いた。
(聞き手は三浦 拓真)

25年間の教師生活の大半を荒れた中学での指導にあたってきたと聞きます。教育現場におけるいじめの現状を教えてください。

瀬田川:16年前から担任を持たずに学校全体の生徒指導を指揮する「生徒指導専任教諭」という役職に就き、毎日のように「いじめや暴行」の問題に向き合ってきました。こうした役職があるのも、学校内でいじめや暴力などの問題が絶えないからです。

 文部科学省の2010年度の調査によると、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校における「いじめ」の認知件数は約7万7600件であり、「暴力行為」の発生件数は約6万300件。いじめや暴力行為との因果関係は明らかではありませんが、小学校・中学校・高等学校において自殺した児童生徒は165人でした。2010年6月には、川崎市で「友人のいじめを救えなかった」などと記した遺書を残して中学3年生が自殺するという事件がありました。

学校内外における暴力行為発生件数
出所:文部科学省初等中等教育局児童生徒課「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(2010年度)

教育現場でのいじめにはどんな特徴がありますか。

瀬田川 聡(せたがわ・さとし)
横浜市立保土ヶ谷中学校主幹教諭。1986年に横浜市立中学校教師となり、96年、生徒指導専任教諭に就任。2003年、兵庫教育大学大学院学校教育研究科生徒指導コースを修了。2005年度に横浜優秀教員として表彰を受ける。学校心理士。2012年、東海大学の課程資格教育センター論集に研究ノート「学校現場における外部機関との連携に関する一考察」を執筆した。

瀬田川:教育現場のいじめ対応で難しいのは、「いじめ=犯罪」という認識が持たれにくい点です。人を殴った行為を「喧嘩した」と呼ぶことで、法的に処罰されない問題にすり替わってしまうことが教育現場には少なくありません。

 大津市の事件で警察の捜査が入ったのは、喧嘩やいじめと呼ばれる行為が犯罪にあたる可能性が高いからです。こうした認識がないために、学校内での対応に終始し、被害が拡大するケースがたくさんあります。

具体的にいじめや暴力にどのように対応していますか。

瀬田川:意外に感じるかもしれませんが、「教育としての指導の限界を見極めること」と「警察との連携」の2点が重要です。「職務放棄じゃないか」との批判があるかもしれません。実際、今まで私が勤務してきた学校でも当初は一部に戸惑いもありました。しかし、この2点は学校教育だからこそ見逃されがちなポイントなのです。

 いじめを解決するために、指導に全力を尽くすべきなのは言うまでもありません。ただ「教育としての指導の限界を見極めること」ができないと、いじめが拡大するケースがあります。指導力を問う前に、被害生徒を救わなければなりません。過去には被害の発覚が遅れたために、名古屋市内の中学生が同級生から恐喝され、約5000万円を脅し取られるという事件がありました。私の勤務する学校でも教師の指導だけでは解決できない事例がありました。

 一昔前なら、教師の「ゲンコツ」など加害生徒に身体的な痛みを加えることでいじめを止めるケースもあったかもしれませんが、これはもちろん「体罰」になります。教師は言葉でしか止めることができないという現実を直視し、被害が拡大する前に外部機関と連携をとることが不可欠なのです。

コメント28件コメント/レビュー

実際教師は忙しすぎると思う。あれこれ責任を負わせすぎ。補佐役をつけてあげるべき。クレーム対応、雑用対応などなど。仕組みが旧態依然のままで、新しいことに取り組めるわけがない。そして、何もできない親が自分を棚に上げて、教師を糾弾するは言語道断。(2012/07/31)

「インタビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

実際教師は忙しすぎると思う。あれこれ責任を負わせすぎ。補佐役をつけてあげるべき。クレーム対応、雑用対応などなど。仕組みが旧態依然のままで、新しいことに取り組めるわけがない。そして、何もできない親が自分を棚に上げて、教師を糾弾するは言語道断。(2012/07/31)

親が自分の子供の教育を放棄し、学校に依存している時点で終わっています。何でもかんでも学校のせいにするのは問題ですね。「人を叩いたら駄目だよ。そんなことしたら怪我させるでしょ」こんなこと親が教えることだと思います。また、いじめにあった自分の子供を守るために親が取れる行動は何かを考えることが出来なければ、自分の子供は守れません。守るために学校や先生と連携し対策を考えることが必要なのだと思います。何かがあって批判する前に、常日頃から先生と膝突き合わせて話するべきで、PTAも母親任せにせず、たまには父親も顔を出して子供の状況、学校の状況を確認すべきだと思います。今時、有給休暇を全く取れない企業にお勤めの方はあまりいらっしゃらないと思います。金だけ出して、学校のせいと言っていれば確かに自分は傷つきませんが、子供のために出来る事、いざという時のために事前に環境を整えることも必要だと思います。(2012/07/31)

昔は学校が聖域で、教師には生徒に対する無限責任が課されていた代わりに体罰等の超法規的権限も与えられていた。学校が聖域でなくなり、後者が教師からだけでなく両親からもはく奪されて久しくなった今、いじめ対策に警察その他外部機関の介入が必要なのは自明なのではないでしょうか?(2012/07/31)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長