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「攻撃はやめない」と加害生徒が宣言。その時、教師は

現役中学教師が語る「いじめと暴力」の現実・その2

  • 三浦 拓真

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2012年7月31日(火)

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 学校は夏休みに入ったにもかかわらず、いじめ関連のニュースが引き続きメディアをにぎわせている。大津市の中学校で起きた事件を受けて、各県の教育委員会がいじめの実態調査に乗り出しているためだ。前回に引き続き、横浜市内の中学校で教鞭を執る現役教師、瀬田川聡氏が自らの経験を基にいじめへの具体的な対処法を語った。
(聞き手は三浦 拓真)

ご自身の学校では、実際にどのような問題に対処してきましたか。

瀬田川:まず個人情報保護の観点から複数のケースを合成し、かつ中心的な特徴が損なわれない程度に細部を変更している点をご理解ください。

 私の中学校でいじめがありました。被害生徒Aと加害生徒Bは中学3年生で、同じクラスに在籍。問題に気がついたのは、5月中旬の放課後にA君が私に話があると言ってきてからです。

 相談室で話を聞くと、A君は「同じクラスのBからいじめられている」と訴え、こんな内容を語りました。

 およそ1カ月前の放課後にA君はB君に呼び出された。B君に「おまえを見ているだけでむかつく」と一方的にののしられて、左頬を2回殴られ、左足を3回蹴られてうずくまった。その日以来、ほぼ毎日、教室に先生がいないときにB君が近寄ってきて、A君の肩を殴ったり、太ももを蹴ったりするなどの暴力が続いた。

すぐには先生に相談できなかったのですね。

瀬田川:始めの暴行時に「先生に言ったら、余計に殴るぞ」とすごまれたことが、心に強く残り、恐怖で相談できなかったようです。A君は夢でもB君に呼び出されて殴られる場面が出てきたり、授業中もB君が気になり集中できなかったりして、時々手が震えるなどの症状が出てきました。A君は登校するのも辛くなり、我慢の限界を感じて生徒指導専門の私に相談をしてきたのです。

被害生徒の母親は教師に激怒した

A君の話を聞いた後に、どのように行動しましたか。

瀬田川:すぐに担任の男性教師、学校職員と情報交換をして家庭訪問に赴き、母親に報告と謝罪を行いました。すると、A君の母親は「学校の責任だ」と激怒し、「すぐにB君を指導してほしい」と訴えました。冷静に対応策を考えられる状態ではありません。

 家庭訪問の翌日に、担任教師、学年主任と私の3人で、B君を相談室に呼び出し、指導を行いました。だがB君は反省するどころか「自分もAに悪口を言われている」、「教師はAの味方ばかりをしてむかつく」などと主張。時には相談室の壁を蹴るなどして激しく反抗しました。あまりに態度が悪く、反省の色がないので、それから数日間、放課後に担任教師と私がB君への指導を継続しましたが、B君に気持ちの変化はなく、「Aへの攻撃は止めない」と宣言しました。

コメント34件コメント/レビュー

レトロな熱血教師を懐かしむコメントもあるようだが、はたしてそうだろうか?教師は警察ではないし、警備員でもない。内部の秩序を守る行動も行き過ぎれば別の意味での暴行事件となる。子どもが教師の言うことを聞かないというのは、学校が閉鎖的で社会性が身に付いていないということの現われでもある。社会のルールを破る行動に対しては、変に内部で処理しようとせず外部の手を借りるということが必要だと思う。それが事件の隠蔽防止にもつながる。私自身は自分の子どもに体罰を加えることもあるが、教師にそれをやって欲しいかどうかは簡単には言えない。自分と同様の価値基準を持っている、すなわち信頼に足る教師であれば体罰を加えられても許容できるとは思うが、公立学校でそれほどの教師にはほとんどお目にかからなかった。ただし、授業中騒いだ場合に立たせるとか、場合によっては教室から出すといった程度の体罰(?)すら否定する現状は、どう考えてもいき過ぎている。授業妨害に対しては厳正に対処すべきで、それが結果として生徒の社会性を育てることになる。学校は勉強を教える場でしつけは家庭の役割と言ってはばからない教師も多いが、社会性は家庭の外に出て初めて身に付くもの。学校がその役割を放棄したら存在意義がなくなる。(2012/08/04)

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レトロな熱血教師を懐かしむコメントもあるようだが、はたしてそうだろうか?教師は警察ではないし、警備員でもない。内部の秩序を守る行動も行き過ぎれば別の意味での暴行事件となる。子どもが教師の言うことを聞かないというのは、学校が閉鎖的で社会性が身に付いていないということの現われでもある。社会のルールを破る行動に対しては、変に内部で処理しようとせず外部の手を借りるということが必要だと思う。それが事件の隠蔽防止にもつながる。私自身は自分の子どもに体罰を加えることもあるが、教師にそれをやって欲しいかどうかは簡単には言えない。自分と同様の価値基準を持っている、すなわち信頼に足る教師であれば体罰を加えられても許容できるとは思うが、公立学校でそれほどの教師にはほとんどお目にかからなかった。ただし、授業中騒いだ場合に立たせるとか、場合によっては教室から出すといった程度の体罰(?)すら否定する現状は、どう考えてもいき過ぎている。授業妨害に対しては厳正に対処すべきで、それが結果として生徒の社会性を育てることになる。学校は勉強を教える場でしつけは家庭の役割と言ってはばからない教師も多いが、社会性は家庭の外に出て初めて身に付くもの。学校がその役割を放棄したら存在意義がなくなる。(2012/08/04)

ふざけているだけ、遊んでいるだけ、相手をからかっているだけ、自分は親近感としてやっている、だから自分の行為はいじめではないと本気で思いこんで迷惑行為を繰り返す者が大人の世界でも多い。加害者の思いこみはどうでもいい、被害者が嫌だと思ったらそれだけで法益侵害だということに気づかせるべき。教師は加害者の思いこみを真に受けて加害者にはいじめの認識がないから「これは遊びだ」と事実認定するべきではない。セクハラ、パワハラ、モラハラ、すべてメカニズムは同一ではないか。行為を外観で評価するのではなく、被害者感情を主として評価するべきなのだ。(2012/08/03)

私の父は、授業と生活指導双方で熱血でした。今なら、暴力教師として懲戒処分でしょうね。父は、常に生徒全員の生活態度を見、当時でも校内で起こっていた、いじめ、おどし、窃盗などの問題の収束に時間を費やしていました。父の対応はすさまじく、即座にその現場に駆けつけ、又は、加害者を見つけ出し、今では信じられないような厳罰を処していました。加害者の反省が無ければ、往復びんたは当然のこと。もし、再犯でもしようならどうなることやら?しかし、親と加害者に対して殴りっぱなしではなく、説明と説得を怠ることは無かったようです。父が校内を歩く時は常に太くて長い竹の棒を持ち歩いているところを私も見たことがあります。生徒にとっては、警察以上の迫力があったと思います。父は家庭内でも、同様に極めて厳しい存在でした。しかしながら、父は生徒や親から慕われ信頼されていたようです。私の小中高と父の現職時代は昭和30年から40年台と同じ時代ですが、父のような存在の教師は何処の学校にも数人はいました。教師には、私の父のような気迫が必要であり、各校にそういう教師が不可欠と確信します。加害者たる生徒はそんなに甘いものではありません。(2012/08/02)

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三品 和広 神戸大学教授