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28年連続赤字のバス事業、民間のノウハウ活用し合理化を徹底

独占体制が続き、体質改善はこれから

  • 余語 邦彦,上山 信一

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2012年8月31日(金)

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 大阪府と市の統合本部は現在、「大阪都構想」の実現に向けて、府・市の主要事業の民営化、統合プランなどを作成中である。この連載では、これまでにモノレール事業、公立病院事業、人形浄瑠璃文楽の動向について見てきた。

 今回は府と市の特別顧問として、バス・地下鉄事業の見直しにかかわる余語邦彦氏(ビジネス・ブレークスルー大学 大学院教授、元マッキンゼー)に登場していただく。バス・地下鉄事業はどちらも大阪市交通局の運営。橋下徹大阪市長は、昨年11月の市長選で市営交通の民営化を掲げた。

 カネボウ化粧品、光通信などの企業再生を成し遂げてきた余語氏は、経営者の視点でそれぞれの事業を精査。「バス改革・持続戦略プロジェクトチーム」「地下鉄民営化・成長戦略プロジェクトチーム」のアドバイザーとして改革・民営化に向けた道筋を示した。

 この回ではバス事業を取り上げる。バス事業ではこれまで数回にわたって経営健全化に向けた取り組みが行われたが、厳しい経営状況が続き、2010年度決算では24億円の経常赤字。1983年度以来、28年連続赤字となっている。

 赤字の背景にはどんな問題点があるのか、今後、どんな方向で改革するのが良いのか、概要を説明してもらった。(聞き手は、伊藤暢人)

余語さんは2月に府と市の特別顧問に就任し、大阪市営のバス・地下鉄事業の見直しにかかわっていらっしゃいます。
 今回はバス事業についてお聞きします。バス事業は2010年度決算で24億円の経常赤字。1983年度以来、28年連続で赤字を計上しています。何が原因でしょうか。

余語:主な原因は乗車人員の低迷と高コスト体質です。バスの平均乗客数は1964年の1日119万人がピークでした。しかし、その後は年平均約5.3%で減少し、88年には32万人程度に落ち込みました。路線・ダイヤの見直しなどで一時的に回復したものの、90年代後半から年平均約3.7%ずつ減っています。2010年度の1日平均乗客数は22万人余りにとどまっています。

府と市の特別顧問としてバス・地下鉄事業の見直しにかかわる余語邦彦氏

 この傾向は大阪だけではありません。自家用車、鉄道、自転車など他の移動手段へのシフト、少子高齢化、景気低迷といった社会経済情勢の変化が影響して全国的にバスの利用は減っています。

 しかし大阪市営バスの赤字の原因は、乗車人員の減少で収入が減ったのに、経費をあまり削減しなかったことです。路線の改廃、人件費削減、外郭団体への委託などの取り組みが不十分で、他都市の公営バスより高コストの体質が続いてきたのです。

 長年、厳しい経営状況が続いた結果、バス事業の累積欠損金は604億円にも上っています。

バス事業に対しては市の補助金が提供されています。また、同じ市営交通である地下鉄事業からの繰入金(赤字の補填)もあります。地下鉄事業からの繰り入れには、どのような意味があるのですか。

余語:地下鉄もバスも共に市の交通局の事業だからです。大阪市内の公共交通機関の歴史を振り返ると、路面電車の路線が徐々にバスに、そして地下鉄に変わりました。

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