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二重行政の象徴「信用保証協会」統合へ

「社会コスト」が高い市協会は府協会に吸収

2012年9月19日(水)

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 大阪府と市の統合本部は現在、「大阪都構想」の実現に向けて、府・市の主要事業の民営化、統合プランなどを作成中である。この連載では、これまでにモノレール、公立病院、人形浄瑠璃文楽、バス・地下鉄事業の動向について見てきた。

 今回は府と市の特別参与として、信用保証協会のあり方を探った大庫直樹氏(プライスウォーターハウスクーパース・パートナー、元マッキンゼー)に登場してもらった。

 信用保証協会は信用保証協会法に基づいて設立した特殊法人。中小企業が金融機関から融資を受ける際、公的に保証する。大阪府内には大阪府中小企業信用保証協会と大阪市信用保証協会がある。過去にも二重行政と指摘され、協会の再編が議論されたことがあるが、まとまらなかった。

 今回、大庫氏らは府中小企業信用保証協会を母体とする経営統合を提案。府、市も2013年度中の統合を目指す方針を発表した。大庫氏はどのような調査・分析を行ったのか。ポイントを聞いた。また、大阪府・市の特別顧問の上山信一氏(慶応義塾大学総合政策学部教授)にも橋下改革における今回の問題の位置づけを語ってもらった。(聞き手は、伊藤暢人)

今回は大阪府中小企業信用保証協会と大阪市信用保証協会の経営統合についてお聞きします。信用保証制度になじみのない読者も多いことと思います。改めて、制度の内容と信用保証協会の役割を説明してもらえますか。

大庫:信用保証制度とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際、公的機関である信用保証協会が保証する制度です。厳しい経営環境に置かれ、信用力が十分でない中小企業が、スムーズに資金調達できるよう支援する制度であり、国の施策として導入しています。

信用保証協会を担当した府と市の特別参与、大庫直樹氏

 信用保証協会は1953年に施行された「信用保証協会法」に基づいて設立され、全国に52法人あります。都道府県単位で47法人が存在するほか、横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市、大阪市にも5法人あります。

上山:信用保証制度の拡充は「中小企業の救済」につながるという認識が浸透しているため、政治的に重視されてきた面があります。

実際に中小企業が信用保証を受けるには、どういう手順が必要ですか。

大庫:金融機関の融資を受けたいと考える中小企業は、近くの信用保証協会に保証の申し込みを行います。信用保証協会はその企業の事業内容や経営計画などを確認し、保証を「承諾」するか否かを決め、金融機関に連絡します。金融機関は保証承諾を受けた中小企業に融資を行い、中小企業は融資条件に基づいて借入金を金融機関に返済します。利用の対価として信用保証料も支払います。保証料率は、中小企業の財務状況などを考慮し、原則として9つの料率区分から適用します。

 万一、融資を受けた企業が何らかの事情で返済ができなくなった場合、信用保証協会が「代位弁済」し、その分を利用企業から回収します。こういう流れです。

1万社以上の企業が重複して府と市の協会を利用

大阪の場合は、府内に大阪府中小企業信用保証協会、市内に大阪市信用保証協会があります。以前から、二重行政で無駄ではないかという指摘が出ていました。

大庫:府協会の利用企業は9万7000社、市協会の利用企業は3万6000社で、1万1000社程度は重複しているとみられます。これは、市協会利用企業の31%に相当します。

 2つの組織を統合すれば、重複して利用していた企業の審査・回収などの運営コストを削減できます。

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「二重行政の象徴「信用保証協会」統合へ」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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