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信用保証、余裕ある企業も破綻しかけた企業も利用

制度が“自己増殖”、自治体の財政を脅かす

2012年9月20日(木)

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 大阪府と市の統合本部は現在、「大阪都構想」の実現に向けて、府・市の主要事業の民営化、統合プランなどを作成中である。

 前回に引き続き、府と市の特別参与として、健全な信用保証制度のあり方を探った大庫直樹氏(プライスウォーターハウスクーパース・パートナー、元マッキンゼー)に登場していただく。大阪府内には大阪府中小企業信用保証協会と大阪市信用保証協会がある。今回、大庫氏らは府中小企業信用保証協会を母体とする経営統合を進めることを提案。府、市も2013年度中の統合を目指す方針を発表した。

 国の政策として進めてきた信用保証制度だが、国税・地方税でまかなわれる費用は急増している。大阪で2協会を統合した後も、制度自体が抱える本質的な問題は残る。全国の信用保証協会が共通の問題を抱える中、先陣を切る大阪で、今後、どのように改革を断行していくのか。また、大阪府・市の特別顧問の上山信一氏(慶応義塾大学総合政策学部教授)にも橋下改革における今回の問題の位置づけを語ってもらった。(聞き手は、伊藤暢人)

大阪府中小企業信用保証協会と大阪市信用保証協会という2つの協会は2013年度中に統合する方向で動き出しました。しかし、お話を聞いていると、国の政策として進めてきた信用保証制度そのものが抱える問題も大きいように感じます。

上山:橋下徹大阪市長は「制度自体がおかしい」と指摘していますね。

大庫:確かに、この制度は色々な問題をはらんでいます。

信用保証協会を担当した府と市の特別参与、大庫直樹氏

 1990年代末以降、全国で信用保証協会から信用保証を受けた融資残高が大変な勢いで増えています。増え始めたのは、金融機関の不良債権処理問題がクローズアップされた時期。金融機関が中小企業に資金を振り向けず、「貸し渋り」や「貸しはがし」が問題になった頃のことです。中小企業を救う存在として、信用保証協会の役割が大きくなりました。

 2000年前後には信用保証を受けた融資残高が40兆円を超えました。その後、少し減ったものの、2011年度末も34兆円あります。1980年代はせいぜい数兆円でしたから、いかに急拡大したかがわかります。これほどまでに規模が膨らんだことで、信用保証制度は自治体の財政を圧迫する要因となってきました。

どのような形で自治体が信用保証制度の費用を負担しているのですか。

大庫:代位弁済の一部を負担しています。保証債務残高が膨らんでいますから、代位弁済の額も、実はすごく大きい。2009年度には全国で1兆1000億円あり、2010年度、2011年度も9000億円ありました。といっても、このすべてを各自治体が払っているわけではありません。

 信用保証制度を利用する中小企業は、利用の対価として信用保証料を払います。そのうちの一部は保険料という形で、日本政策金融公庫の信用保険事業に納められます。万が一、利用した中小企業が返済できなくなった場合は、信用保険事業の資金で約80%をまかない、残りの20%を自治体と信用保証協会が負担します。自治体が払うのはだいたい全体の16%ぐらいのことが多いようです。

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「信用保証、余裕ある企業も破綻しかけた企業も利用」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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