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部下を信頼し、野に放つべし

第1回 定時・在宅勤務は生産性を高めるトリガーに

2012年10月10日(水)

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 米P&Gアジア統括責任者の、桐山一憲です。世界中で事業展開するグローバル企業でのマネジメントを通じて経験してきた、リーダーシップとは、変革とは、そしてキャリアとは何かについて、お話をしていきたいと思います。初回の今回は、P&Gが最も重視して取り組んできた「ダイバーシティー(多様性)」、あるいは「パフォーム・アット・ピーク(個々人の最大限の能力発揮)」という考え方をどう実現してきたか、についてです。

 1日は24時間しかないので、ワーク・ライフ・バランスをしっかり保たないといいパフォーマンスが出せない、ということが基本的な問題意識です。私自身、社員ができるだけフレックスな時間帯とか場所で仕事ができるような環境をつくることでパフォーマンスをさらに上げられると信じていますし、多様性をより進化させるためにも大切だろうと思っています。

桐山一憲(きりやま・はつのり)
米P&Gアジア統括責任者。1962年11月生まれ。85年同志社大学商学部卒業後、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(現P&Gジャパン)入社。90年、支店長ナショナルチェーン統括、92年東京支店長。カナダ勤務を経て2000年に韓国で営業本部長就任。2002年、ノースイースト・アジア営業統括本部長、2006年グローバルスキンケアのバイスプレジデント(在シンガポール)などを経て、2007年プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン社長。2012年7月から現職。
(写真:福島正造、以下同)

 例えば女性の方で小さいお子さんがいるのに、預けるところが見つからない場合がある。毎日預けられなくて、週に3日までですといった時に、何らかのサポートがないと仕事ができないわけです。でも、家から会議に参加できる環境を整えてあげれば、躊躇も罪悪感もなしに仕事に参加できます。これは分かりやすい例ですが、それだけではなく、全社的な効率化に向けて複合的な利点があったので、P&Gでは、全社的に「デジタリゼーション(Digitalization)」をしっかり進めていこうということになりました。

 制度があっても使えないというのは、良く聞く話ですね。ワーク・ライフ・バランス上の理由や効率化を考えて導入した情報システムがあると分かっていても、会社の空気が許さなくてそれを使えない。これは社員のフラストレーションにもつながります。せっかくシステムがあるのにそれを使える雰囲気がなくて、使えずじまいで耐えている社員がたくさんいるのは、もったいないことです。結果として耐えられなくなって辞めてしまう、あるいは病気になってしまうというケースの方が会社にとっては損失でしょう。

仕組み作りと同時に風土改革も必要

 仕組みがないのであれば、まずは仕組み的なサポートが必要です。それから、社内の風土改革が必要ですね。風土も同時に変えていく必要があるのです。例えば、制度を使っている人だけが社外から会議に参加していて、もし周りのチームの雰囲気がそれを許さなかったら、意味がありません。P&Gではそうした風土改革を10年ぐらいかけてやってきました。そう、10年はかかると考えた方が良いのです。毎年少しずつ進歩はしますが、こうしたことは「ここで終わり」ということがないのです。

 仕組み的なサポートと風土改革を手綱をゆるめずに継続的に進めていかなければ、効率化から得られる成果を確実に、大きく阻害することになります。当社がそうした問題意識で進めてきた改革の1つに、在宅勤務の導入があります。P&Gでは、在宅勤務を認めています。世間一般での「在宅勤務を認めるか、認めないか」という議論を聞いていると、何か、社員を野に放ってしまうと仕事をしないんじゃないか、という不安があるのが伝わってきます。

コメント3件コメント/レビュー

明快なお話を有難うございました。アリバイ作りの改革ではない、真の変革を起こすには責任ある立場の人から実行する、という単純な事ですね。問題はトップダウンで実践し、規範となれるか否かですね。(2012/10/17)

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「部下を信頼し、野に放つべし」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

明快なお話を有難うございました。アリバイ作りの改革ではない、真の変革を起こすには責任ある立場の人から実行する、という単純な事ですね。問題はトップダウンで実践し、規範となれるか否かですね。(2012/10/17)

残業が何時迄になるのかわからないというのは時間管理ができていない証拠でしょうね。毎日午後5時が締切だというつもりでやれば、結構緊張感があり、実はその日だけでなく何日も前から始めていないといけないということに気付くはずです。本気で全力を出そうと思ったら、十分な睡眠も必要ということがわかります。民間もそうですが、日本の将来に影響の大きい、霞が関の役人たちもマトモに機能するためにそういったことを考えたほうがいいと思います。(2012/10/15)

在宅勤務を認めないのはマネージャーとしての管理職の仕事が無くなるからなだけじゃないですか。従業員の大部分が在宅になったら管理部門に数人の専任職員おけば済むだけになっちゃうし。(2012/10/10)

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