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日銀は外債50兆円を購入せよ

岩田一政・日本経済研究センター理事長インタビュー

  • 市村 孝二巳

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2012年10月2日(火)

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まずは世界と日本の経済の現状認識についておうかがいしたい。

岩田:世界経済は、端的に言って減速していると思う。米国の実質経済成長率は2%ぐらい、潜在成長率も2%ぐらいだからそこそこだが、失業率は8.1%(8月)で、これ以上下がらない。最近の指標はプラス、マイナスが入り混じっているが、米ISM製造業景況感指数、製造業購買担当者景気指数(PMI)といった、日銀の企業短期経済観測調査(短観)のような景気指標を見ると、50%を切っているので、明らかに景気が減速している状況だ。ユーロ圏は明らかに既に年初から景気後退に陥っている。意外だったのは新興国、特に中国、ブラジル、あるいはインドの経済成長が予想以上に減速している。その結果、グローバルな経済も予想以上に減速しているという状況がある。

予想以上に減速が速まっている

岩田 一政 日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)
(写真:清水 盟貴)

 日本経済はさしあたり復興需要とエコカー補助金といった政策措置があり、成長率自体はほかの国と比べて悪くない。今年度の実質成長率も2%ぐらいで、先進国を横並びにすると悪い数字でないように見えるが、もう少し中身を見てみると、最近の数字は輸出も減速が目立ち、生産も2四半期連続で前期比マイナスになりそうだ。先行指標を見ても弱い方向に動いている。私自身は当初、今年末にかけてゼロ%ぐらいまで減速するのではないか、その後持ち直すのではないかと日本経済新聞社の景気討論会でも申し上げたが、予想以上にゼロに近づくのが速まっているな、というのが今の状況だと思う。

 そういう景気情勢を踏まえて、米連邦準備理事会(FRB)は9月12、13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)を決め、労働市場が大幅に改善するまでこうした資産の買い入れを続ける方針を示した。それに加え、時間軸を強化するために、これまでは2014年末まで続けるとしていた現在の低金利政策を2015年半ばまで延長した。

 特に量的緩和によって米国、英国はいずれもインフレ期待の方を安定できたが、実体経済、特に失業率はなかなか下がっておらず、こちらは力不足だ。量的緩和への1つの根本的な批判として、コロンビア大学のウッドフォード教授が言っているように、量的緩和が一時的だとみんなが思えばその効果は弱いということだと思う。租税政策についても同じことが言える。一年だけ減税して、翌年は元に戻すという政策を取っても、その効果はあまりない。恒久的に減税すると言えば効果は大きくなる。量的緩和にもそういう側面があって、市場に資金を出しても、それは間もなく引き揚げるということが仮に条件で付いていたとすると効果は弱くなる。単に一時的に資金を出しているだけなのか、という話になる。

 日銀による外債購入の提案とも関連するが、「不胎化」してしまう介入政策、つまり為替市場で円売り・ドル買い介入をすると市場に一度資金が出るが、日銀がそれをすぐ金融調節で回収してしまい、市場の資金需給に与える影響を中和してしまうことを不胎化という。しかし、介入資金を不胎化しないで、市場にしばらく残すと効果が強くなる。量的緩和についても同じことが言える。FRBはそれを気にしていて、自らのバランスシートの大きさが変わらないように、QE1を実施した後に、買った国債が満期を迎えてしまうと自動的に償還されてバランスシートが小さくなるが、その分は買い増すという配慮をしていた。

 さらに最近の議論では、量的緩和を続ける期間を無制限にする、と言うべきか、経済指標と結び付けるという考え方がある。シカゴ連邦準備銀行のエヴァンス総裁は以前から、失業率が7%に下がるまで量的緩和を続けるといった方法を提案している。量的緩和を実行する期間についても、あらかじめ制約をおくと、この政策を取ってもどっちみち1年で終わると思えばその分だけ効果が弱くなる。もっと効果を強くするには期限を無制限にすることはおそらく時間軸効果を強化することになる。

 ECBも9月6日の理事会で、ユーロ圏周辺国の国債を満期3年までに限って無制限に買い取る政策を決めた。国債買い取りを実行する前提として、対象国の政府は欧州安定メカニズム(ESM)に支援を要請し、厳しい財政再建プログラムを実施に移すことを約束しなければならないという条件も付けた。

 グローバルな景気減速に対応して、米欧とも金融政策をより拡大的な方向で考えている。英国のイングランド銀行もつい最近、量的拡大を追加したが、年末までに追加措置を取るだろうと見られている。国内の景気が予想以上に下振れしているからだ。

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