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消費税、再増税は否定しない

2012年10月9日(火)

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藤井裕久・民主党税制調査会長 インタビュー

社会保障と税の一体改革の最大の課題である消費税引き上げは決まった。ただし、実行の際、低所得者ほど負担が重くなる逆進性をどのように緩和するかという対策では、自民、公明両党と考えが異なる。

藤井:自公両党は、一部の商品・サービスなどの消費税率を低くする軽減税率を主張している。特に公明党は、2014年4月に消費税率を8%に引き上げる段階からの実施を唱え、翌2015年10月に10%に上げて以後という自民党よりも積極的だ。

(写真:清水 盟貴)

 これに対して民主党は、(低所得者の消費税負担分を所得税で還付・給付する)給付付き税額控除にすべきだと考えている。これについては、これから設置する社会保障制度改革国民会議で議論することになるが、やはり給付付き税額控除の方が優れていると言わざるを得ない。

 というのは、例えば軽減税率を導入する場合、対象品目に食料品がしばしば挙がる。しかし、食料品では高額の食品消費ができる高所得者の“恩恵”も大きく、逆進性の緩和にならない。さらにいえば、軽減税率は何を対象にするかが一種の利権のようになり、政業(政治と財界)の癒着につながりかねないという問題もある。

 何より、税率が複数になれば、企業が仕入れたモノそれぞれの税率を証明するためにインボイス(送り状)が必要になり、中小企業には大きな事務負担になる。よく言われるハンバーガーを店頭で買って持ち帰れば食品だから軽減税率だが、店内で食べれば普通税率になるといった問題もある。

 もう1つ重要な点では、消費税引き上げによる税収増分も、かなり減ることになるという問題もある。軽減の仕方によるが、消費税1%分(2兆7000億円)程度になる可能性もある。

金融・不動産所得など申告制に

しかし、給付付き税額控除も、個人の正確な所得捕捉が出来ない現状では、不正受給が激増する恐れがある。

藤井:それは否定しない。だが、その問題もあるから我々はマイナンバー(納税者番号)制の導入を検討してきた。法案は継続審議になったが、是非必要だと思っている。

 消費税率を10%に引き上げる2015年には間に合わないが、出来るだけ早い時期に導入し、それまでは低所得者への現金給付などで対応したい。もちろん、マイナンバー制を導入しても、個人の利子所得や不動産所得などは正確に把握しきれないという難点は残る。しかし、それらの所得は申告制にし、過少申告で税逃れをすれば摘発するなど対策はある。一罰百戒の効果も含めて、こうした金融・不動産所得の把握をきちんと出来れば、所得捕捉の正確性は上がり、不正受給はかなり減らせるのではないか。

消費税を10%に引き上げても、財政再建にはほど遠い。税収で国債の元利払い費以外の政策的経費を賄えるかどうかを見る「財政の基礎手的収支」(プライマリーバランス=PB)を、2020年度に黒字化するという国際公約は守れるのか。

藤井:これは必ず守る。今回の消費税引き上げは、このPBの赤字をGDP(国内総生産)比で3.2%と、2010年度から半減させるが、実際にはそこまで。消費税率が10%のままでは2020年度時点でもまだ赤字は残る(編集部注:内閣府の試算では2020年度時点でGDP比2.8%分の赤字が残り、黒字化には15兆4000億円必要となる)。

 消費税引き上げが経済に及ぼす影響を慎重に見極めながらだが、それを考えると、さらなる増税(の必要性)を否定は出来ないということになる。

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「消費税、再増税は否定しない」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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