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少子化対策の改革案は後退続きだ

草刈隆郎・日本郵船相談役 インタビュー

2012年10月11日(木)

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社会保障と税の一体改革関連法案は、民主、自民、公明の3党合意で成立したが、問題が大きいと批判している。特に少子化問題には厳しい見方をしているが。

草刈:私は自民党政権末期の2007年1月から規制改革会議の議長を務め、民主党政権になってからも行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会の会長代理を引き受け、様々な提言をしてきた。

(写真:清水 盟貴)

 (民主党政権発足直後の)2009年末には、「幼保一元化の実現」「地方の実情に応じた保育施設の設置促進」「保険診療と保険外診療の『混合診療』のあり方の見直し」「電子情報の利活用による医療情報改革」など13項目の規制改革案をとりまとめたが、結局、ほとんど進んでいない。

 高齢者に対する社会保障給付費が60兆円を超えているのに、児童家庭関係給付費は数兆円という極端な格差には、何も手がつけられず少しも変わっていない。これは一度に大きくは変えられないにしても、日本の将来にとって極めて重要な少子化対策は遅れどころか後退している。

 まず問題なのは待機児童対策。自民党政権時代から始まっている(幼稚園と保育園が施設内で併存する)認定子ども園を拡充することとなったが、幼稚園からの移行は希望した園だけとなったし、3歳児未満の保育も義務づけていない。

 首都圏など大都市都心部を除くと、幼稚園には定員割れの所が少なくなく、そうした園が幼児の保育に乗り出せれば、待機児童対策にもなるはずだが、肝心のそこが進んでいない。

後退を続ける子育て改革

幼稚園と保育園を一体化させる幼保一元化を柱に、民主党が取り組んできた「子ども子育て新システム」という改革案作りも後退を重ねた。

草刈:自民党の福田康夫内閣時代(2007年9月~2008年9月)に新システムの検討会議が始まり、民主党政権はそれを引き継いだ。それでも2010年6月に出した最初の改革案は、総じて言えば(幼稚園・保育園などの)既得権者の抵抗を排除したものだった。

 例えば、幼保一元化は、「幼稚園と保育園の垣根を取り払い、全てをこども園に一体化する」としていたし、所管官庁も、文部科学省(幼稚園)と厚生労働省(保育園)に分かれた非効率な状態を改め「子ども家庭省(仮称)」を創設し、一元化すると言っていた。(施設拡充やサービス向上のため)株式会社の参入も促進するともうたっていた。

 ところが、今年4月に出た法案骨子では、幼保一元化は(施設内に幼稚園、保育園を併設する)総合こども園という新しい園を作るが、3歳未満児の受け入れ、幼稚園からの移行は義務づけなくなった。

 さらに6月の3党合意では、(自民党時代に始まり、当初目標の半分以下の移行に留まっている)認定にども園の拡充に変わり、企業は同こども園には参入できないこととなった。所管も文科省、厚労省は既存のままで、認定こども園は内閣府になるなど余計に複雑にさえなっている。

 2010年6月の改革案からどんどん後退してしまっているのだ。

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「少子化対策の改革案は後退続きだ」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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