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「ここで生き残る」。ザクとうふの相模屋2003年の決断

体力に勝る“連邦軍”がなぜとうふ市場で勝てないか

2012年10月10日(水)

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(承前 -前回から読む)

 社長の「機動戦士ガンダム」熱が昂じて、今年3月に発売した「ザクとうふ」(同作品の敵役、「ジオン公国」の兵器の名称)がトータル140万個越えの大ヒット、今月に第二弾として「ズゴックとうふ」「ザクとうふデザート仕様」を発売した相模屋食料(以下相模屋)。ちなみに無粋を承知で解説すると、デザート仕様とは「Desert」、砂漠戦用と甘味「dessert」との洒落だ。

 しかし、同社の経営としての本当の面白さはガンダム関連商品ではない。「木綿」「絹」の2大ベーシック商品にアイテムを絞り込み、量産化に果敢な投資を行ったことにこそ注目すべきだ。そこにはやはり「量産型」にこだわった理由がある。

10月3日発売の第二弾「鍋専用!ズゴックとうふ」と「ザクとうふデザート仕様」。前回の記事の通り、鳥越社長のガンダムへの愛情爆発の商品だ。
鳥越社長はプレゼンでもガンダムネタを連射。「キムチ鍋に入れれば、赤い『シャア専用型』も再現できます」

鳥越:「ザクとうふ」で注目していただきましたが、いまの相模屋の基点になったのは、平成17(2005)年に第三工場が稼働したことなんですね。

Y:グラフを見ると、稼働以後から売り上げも利益も急伸していますね。

鳥越:第三工場はロボットを導入しておとうふをつくる、弊社の戦略拠点です。「相模屋驚異のメカニズム」ですね。

Y:…驚異と言われてもなんだか分からない方が多いと思いますので説明しますと、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)のテレビCMからの引用です。そういえば、「相模屋はジオニック社と改名せよ」というツイートがありました(編注:ジオニック社は「ガンダム」の作中で、ザクなどの兵器を開発したメーカー。劇中では敵方のジオン公国の企業)。

鳥越:おおっ! でもズゴックはジオニック社製じゃないからなあ。

Y:…いやすみません、まだ1ページ目なので真面目にいきましょう。この業績の急進は、第三工場という大型投資をして、新しい設備が入って、低コストと量産化が進んで、売上高も利益も伸びた、ということでしょうか。

鳥越:はい。2003年末にここへの投資を決断しまして、稼働してから成長が始まりました。ちょっと業界のお話をさせていただくと、豆腐メーカーはいま急激に数を減らしています。

鳥越:しかも事業者はみな規模が小さい。現状で全国に約9800のお豆腐店があるんですけれど、その9800のうち、売上高40億円以上の豆腐メーカーが、わずか10しかないんですよ。

 ザクとうふ、ズゴックとうふの発売以後「おとうふを使ったモビルスーツ(ガンダム、ザクなどの人型兵器の作中の総称)なら、ジオン公国の兵器より地球連邦軍向きでは」(編注:「ガンダム」の主役メカは地球連邦軍側で、色は白系統が多い)というご意見をいただきますが、残念ながら、当社を含めて弱小というか小規模な、いわばジオン公国かそれ以下の企業ばかりなのです。先のツイートの「ジオニック社に改名せよ」とは、言い得て妙ですね。

Y:(スルーして)豆腐の市場規模は?

鳥越:諸説あるんですけど、うちのとらえ方としては約6000億円と見ています。

Y:意外に大きいですね。アニメの市場規模は2000億強って言われていますよね。コミックが雑誌と単行本を合わせて4000億円弱でしたっけ。両方合わせたくらいあるわけですか。

鳥越:その6000億円の中で、弊社の年商が126億円で業界トップですから、約2%しかありません。なので、まだまだ成長のチャンスがあります。当社は5月にダイエーさんの元子会社で、お豆腐をつくっていた「デイリートップ東日本」(神奈川県川崎市)さんをM&Aしまして、エリア拡大に取り組んでいます。

 手前みそですけど、100億円を超えた豆腐メーカーって私どもが史上初めてなんですね。「豆腐屋と“できもの”はでかくなるとつぶれる」というのがありまして、だいたい80億円近辺になると、お豆腐屋メーカーはつぶれていたんですね。売り上げの伸びに、組織が追いつかなくなって、需給管理が難しくなっていく。

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「「ここで生き残る」。ザクとうふの相模屋2003年の決断」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 国際ジャーナリスト、英エコノミスト誌・元編集長