• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

消費増税だけでは不十分。規制緩和を徹底せよ

英エコノミスト元編集長ビル・エモット氏インタビュー

2012年10月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

知日派で知られる英エコノミスト元編集長のビル・エモット氏。近著「なぜ国家は壊れるのか~イタリアから見た日本の未来~」(PHP研究所、原題『GOOD ITALY, BAD ITALY』)では、イタリアが抱える経済・政治問題を分析している。ユーロ危機に揺れるイタリアの教訓から、日本が進むべき進路を聞いた。

エモット:まず、イタリアも日本も「失われた20年」に苦しんでいる。日本はバブル崩壊がきっかけだったが、イタリアは巨額の政府債務危機と通貨危機、そして政治危機という三重苦によって過去20年間、特に最近の10年間、厳しい経済状況に直面している。日本もイタリアも過剰な政府債務が低成長の原因となり、低成長が政府債務をさらに増やすという相互作用が起きている。

英エコノミストの元編集長ビル・エモット氏(写真:永川 智子)

 2つ目の類似性が政治システムだ。低迷する経済から抜け出すための改革への合意や、安定した政権運営を実現するのが困難な状況にある。政党はたくさんの派閥で分裂状態にあり、党内の権力争いも激しい。その上、イタリアも日本も国会は二院制で、動きが遅い。

 3つ目が戦後の歴史だ。1950~70年代を通じて、国内総生産(GDP)増加率で上位3カ国は、1位が日本、2位が韓国、そして3位がイタリアだった。イタリアは日本や韓国と同様に急成長国で、経済構造は非常にダイナミックに変化して、新たな産業を求めて南から北への労働力の大移動が起こっていた。

 しかし、イタリアも日本と同じように1980年代以降、経済のダイナミズムは失われた。強力な既得権益者が台頭して、特にサービス部門を中心に様々な規制ができあがり、規制緩和に反対する声が大きくなった。その結果、経済は麻痺し、戦後のダイナミックで革新的なイタリア本来の姿を取り戻すことができないでいる。

 そして最後に、産業が抱える問題への対処法に類似性がある。日本もイタリアも、企業のコスト削減と同時に若者が職に就きやすくするために、短期雇用や非正規雇用による新たな労働市場を作り出した。日本の場合、短期雇用や非正規雇用の割合は労働力の3割を占め、特に若者の間ではその割合が高い。イタリアでは、その割合は約2割だが、徐々に拡大している。

 こうした労働市場改革は、両国で若者が十分な職業訓練を受けられないという問題を生み出している。しかも、彼らの収入が非常に低いために、消費が極めて弱い。産業が抱える問題は解消したかもしれないが、経済全体の観点から見れば、家計消費の弱さという長期的な問題を新たに生み出してしまった。

コメント4

「ニッポン改造計画~この人に迫る」のバックナンバー

一覧

「消費増税だけでは不十分。規制緩和を徹底せよ」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

全体の2~3割の人でも理解し、動き出してくれれば、会社は急速に変わります。

中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長