• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本人が想定外の問題に対応できない本当の理由

齋藤ウィリアム浩幸さんに日本の問題解決の方法を聞く【1】

2012年10月17日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、国家戦略会議フロンティア分科会など、日本の問題解決にかかわる会合にひっぱりだこの齋藤ウィリアム浩幸氏。米ロサンゼルス生まれの日系二世で、現在は自ら創業したベンチャー支援の会社でスタートアップ企業の支援を行っている。課題先進国と言われて久しい日本。なぜ問題解決ができないのか、なぜイノベーションが起きないのか。齋藤氏に聞くと、それは「日本にはチームがないから」と語った。“仲間”でもなく“グループ”でもないチームとは何かを聞いた。

齋藤さんは国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会、国家戦略会議フロンティア分科会と国の仕事に携わりました。
 そういった議論の過程で、内容がおとなしいことに驚いてしまったほどだと聞いています。齋藤さんが見る日本組織の問題点とは何でしょうか。

齋藤:1つは失敗を恐れ過ぎて何も言えない、実行ができない状況になっていることです。国家戦略会議でもスタート時点からその点について疑問を呈しました。実は会議が始まる前に、事前にメールでいくつかの問題が提示され、どう解決するかについて、前もって答えを提出してほしいということでしたが、私はそれに反対しました。

 問題を提起して、それに対してソリューションを出すことが大事なのではないと。日本人は既に何が問題かはほとんどの人は分かっているんです。場合によっては、解決策も分かっている。本当の問題は、なぜそれが実行されないかということです。実行の方法について、ほかの参加メンバーと議論したいと申し出ました。

齋藤ウィリアム浩幸(齋藤・ウィリアム・ひろゆき)氏
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒業。高校時代にI/Oソフトウエアを設立。指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功し、2004年会社をマイクロソフトに売却。日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。ドバイなど世界3カ所にオフィスを持つ。1998年アーンスト・ヤング主催のアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー米国大会でヤング企業家賞を受賞。2012年に国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の最高技術責任者と国家戦略会議フロンティア分科会「繁栄のフロンティア」分科会委員を務める。著書に“An Unprogrammed Life:Adventure of an Incurable Entrepreneur”。近著は『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く
(写真:的野弘路、以下同)

それに対して反応はどうだったんですか。

齋藤:日本の政府で仕事をするのは初めてだったので非常に勉強になりましたが、アメリカと違うなと思ったのは、英語で言う「バイトサイズ」、個々の問題提起をしたほうが話しやすいということです。

 問題の本質は問題提起から解決方法に至るプロセスにあって、問題の定義の仕方、議論の進め方、そして、法案に落とし込んでいくという政治プロセスを今一度見直したほうがいいと主張しました。しかし、なかなか難しいことなので、具体的な問題をいくつか出して、それについて議論しましょうという話に結局は戻りました。分かりやすいキャッチフレーズに落として話をしようということです。

なぜ、そうしないと議論が進まないのでしょうか。

齋藤:結局、参加している委員の方も、皆さん何らかのステークホルダーなので、農業だったら農業、文化だったら文化と、英語で言うところの「ペットプロジェクト」を持っています。それを守りたい、むしろ売り込みたいということもあると思われます。

 もちろん、そういう気持ちは分かります。僕にもアントレプレナーシップという守りたいテーマがあります。でも、それは脇に置いておいて、もっと俯瞰して考え、提言することが私の役目だと思いました。それもグローバルな視点で。

コメント23件コメント/レビュー

WHYに弱いのは、理系じゃないからだと思います。理系の頭があれば常にWHYがでてきます。教育現場で数学の重要性を再認識してほしい。数学を学ぶことは、論理的思考の訓練になるからです。数学が、全ての学問の基礎になっています。(2012/10/23)

「編集長インタビュー」のバックナンバー

一覧

「日本人が想定外の問題に対応できない本当の理由」の著者

飯村 かおり

飯村 かおり(いいむら・かおり)

日経トップリーダー副編集長

2007年より「日経ビジネスオンライン」編集部に在籍。信頼できるおもしろいコラムを世に送り出すことを楽しみにやってきましたが、2015年よりクロスメディア編集長となり、ネットから紙の世界へ転身。書籍などの編集に携わっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

WHYに弱いのは、理系じゃないからだと思います。理系の頭があれば常にWHYがでてきます。教育現場で数学の重要性を再認識してほしい。数学を学ぶことは、論理的思考の訓練になるからです。数学が、全ての学問の基礎になっています。(2012/10/23)

人材教育関連の業界にいます。表現は色々あるのでしょうが、私たちは「知識」と「知力・知恵」の違いを話題にします。知識はあっても「知力」がないと、分っている範囲でしか意思決定・行動が出来ない。自分の上に責任を請け負ってくれる人・方向を指し示してくれる人がいる時には、「知識」だけでも生きていける。下にいる限り「知力」を意識しなくても許されたとでも言うのでしょうか。しかし今は、誰も答えを知らない(あるいは、先が見えていても一部でしか共有されない)という時代になってますから、ますます個人レベルの「知力」が求められることになるのだと思います。これはナレッジとインテリジェンスの違いに近いのかもしれませんが、日本では長らく区別が曖昧だったのかもしれませんね。特に日本の組織の中では、上と下の関係を長期的に固定する仕組みがローカルルールとして支援され続けてきましたから、下の人間が「知力」を下手に発揮しようものなら、組織の正論がルールを破る個人を排除することもあるでしょう。以前のルールでは優秀だったはずの自分が、新しいルールに変わった瞬間に評価が下がるのだと気が付けば、人生をかけてでも昔のルールを守り抜く行動に出ても不思議ではありません。組織から組織への移動が出来れば(他に行くところがあれば)、必死になってローカルルールにしがみつく必要もないのかもしれませんが、組織間の移動自体がルール破りと思われた時代もそんなに昔ではありませんからね~。何にせよ、自分のローカルルールだけを正しいとして生きていける時代は終りつつありますから、それぞれが思案のしどころでしょう。このような言葉遊びを繰り返しても現場で直接得るものは少ないのかも知れませんが、自分で出来ることを一生懸命やって、あとは日本人の英知を信じて生きていきましょう。(2012/10/19)

「出る杭は打たれて当然」「打たれるようなことをする杭が悪い」という価値観を「家庭」と「学校教育」そして「地域社会」「会社や組織の中」で教育しているのが日本です。要するに社会の中に価値観として組み込まれていて、それを年長者が若い世代に教育し続けているわけです。社会全体がそういった価値観を持っているので、「新しいアイデアを発言する人」=「出る杭」=「和を乱すヤツ」=「現状の問題点を指摘する人」は「チームをかき乱す存在」として低く評価されるというカラクリです。評価が低い人には仕事が回ってこないので活躍もできません。「やってみて失敗」するのは自業自得だとしても「やってみること」を許さない空気に閉塞感を感じますし、個人や社会の成長を阻害する要因になっていると思います。ソニーだって松下電器だって「やってみる」ことからスタートしたわけです。社会全体として「従来とは違ったやり方を提案する人」を高く評価し、「できるかどうかは未知だけどやってみようよ」という価値観へ少しシフトして行くべきなのだと思います。そういった価値観を少なくとも学校教育の中に採用し、子供たちにそういう価値観をもたせる必要があるのだけれど、...どうすればいいのでしょうか。私も悩んでいる今日この頃です。(2012/10/18)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長