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「日本の農業に、正しく絶望しましょう」

神門善久・明治学院大学教授インタビュー

2012年10月19日(金)

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最近、神門教授は『日本農業への正しい絶望法』(新潮新書)という本を出された。かなりショッキングなタイトルだが。

神門:昨今、農業論議が華やかだが、ほとんどの人が農業問題の本質というのが分かっていない。そもそも農業自体が分かってない。農業の定義って分かります?

農産物を作ることではないか。

神門:農産物というのは食用動植物だ。世界中どこを探しても、野菜なり米なりを自分の体で作る人間はいない。人間が光合成するわけではないのだから。農業の主人公はあくまでも動植物だ。ところが、巷で「識者」の顔をして農業問題の解説をしている人の中で動植物の生理がわかっている人がどれだけいるのだろうか。農業の本質はものすごく単純かつ深刻だ。それは日本の耕作技能が崩壊の危機に瀕しているということにほかならない。

農家の腕がどんどん落ちている

 今、野菜の栄養価がどんどん落ちて、収量変動も大きくなっている。これは農家の腕が落ちているせいなのに、それが分からない人があまりにも多い。

神門善久・明治学院大学経済学部教授

 耕作技能が低くても、気候に恵まれればそれなりに収量はとれる。しかし、下手くそな農家は食用植物を健康的に育てられないので、栄養価も低いし、ちょっとした気候変動にも脆弱になる。

技能がなくなっているというのは、技能伝承が途絶えているということか。

神門:今、社会が寄ってたかって農家に技能を学ばせないようにしている。僕はこれを川上問題、川下問題と言っている。まず川上問題は農地利用の乱れだ。識者の方々は農地法の規制が厳し過ぎるという言い方をするが、これは2つの意味で間違いだ。

 まず第1の間違いは、農地法を過度に重要視している点だ。農地に関する法律は農地法以外にたくさんあり、農地法は、農地に関するいろいろな規制の中ではおそらく4分の1程度の重要度しかない。だから農地のことは農地法だと思っている時点で不勉強丸出しだ。

 第2の間違いは、「規制が厳しい」と言っている点だ。規制なんて有名無実化している。今は、産業廃棄物業者だろうが何だろうが、誰だって農地を持つ方法がある。諸規制を公然と無視して勝手に農地に家を建てる人もいる。耕作放棄は、高齢化でも低い米価のせいでも何でもない。単純に不在地主、土地持ち非農家のせいだ。

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「「日本の農業に、正しく絶望しましょう」」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官