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トヨタのアクアが提示する「射程3年」の広告

2012年10月19日(金)

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 日本にジョブズがいないことを嘆く声は尽きないが、彼のような人間は米国だけではなく、世界中にもそうめったにいない。彼の事績を学んで彼のようになれるなら、誰も苦労はしない。ジョブズは(残念ながら)日本には生まれなかったが、日本で同等の成功が収められたかどうか、これは議論が分かれるところだろう。

 日本企業はいま、顧客との関係を再構築しようと必死だ。ジョブズの鮮やかな手並みに眩しさを覚えつつも、彼とは違う、日本の、自社なりの顧客とのコミュニケーションのデザイン方法があるはずだし、未来のためにぜひ必要なのだ。

 この連載では、企業と顧客のコミュニケーションデザインについての研究、実績で、おそらく日本最先端を走る組織、電通の「CDC(Communication Design Center)のチームと共に考えていく。いわゆる「広告業界」の話にとどまらず、極力個別具体的な事実を通して、同じテーマに悩む方々の「考えるヒント」を提供していければと考えている。

 第1回は「日本企業がいまいかに真剣にコミュニケーションデザインについて考えているか」の事例として、トヨタの大ヒット車「アクア」を取り上げる。

*   *   *

 車離れが言われる昨今だが、発売後すぐに月間販売目標の10倍を売り上げ、自動車業界を瞠目させた車がある。トヨタが2011年12月に発売した小型ハイブリッド(HV)車の「AQUA(アクア)」だ。

 国内の販売台数では1位の主力HV「プリウス」に次ぐ堂々の2位。10月の国内生産台数はプリウスを上回る見通しで、HVの主役交代も視野に入ってきた。

 リッター35.4kmという世界一の低燃費、169万円~という低価格が市場にアピールしたのは確かだが、アクアの広告キャンペーンでは、従来のマス広告から一歩踏み出した、ソーシャル型キャンペーン「AQUA SOCIAL FES!!(アクアソーシャルフェス)」が、ブランド作りに一役買っている。

 このキャンペーンでは、「広告を提供する企業・それを受ける消費者」という従来のマスメディア広告の図式ではなく、「企業・社会・個人の3者が共に利益を享受していく」という「共成長マーケティング」の手法に取り組んでいる。

 誰もが認める日本を代表する会社、トヨタ。効率を何より重視する同社が、未来を開く量産車種のプロモーションで行った新しい“広告”とは。トヨタマーケティングジャパンのマーケティングディレクター、折戸弘一氏に聞く。

「AQUA SOCIAL FES!!(アクアソーシャルフェス)」とは?

 北海道から沖縄県まで、全国50ヶ所の「水」にちなんだ場所で、環境保護・保全活動のアクションプログラムを展開する。地方紙・ブロック紙や地域NPOが各地のアクションプログラムの開発・運営を行う一方で、「アクアソーシャルフェス」全体の企画・告知・実施をトヨタ自動車が行っている。

 アクションプログラムは地域によって多様で、東京都では「みんなでよくする東京湾2012」と題して、アマモ場の育成を手伝ったり、鳥の島の清掃活動を行ったり、神奈川県では「みんなの鶴見川流域再生プロジェクト」と題して、保水の森再生とホタルの水辺再生作業体験を行ったりしている。2012年9月現在も進行中。詳細はこちら

「AQUA(アクア)」の広告展開には、二つの柱があります。一つはテレビ中心のマス媒体を使った車種ブランド広告。そしてもう一つが、全国の地方紙・ブロック紙やNPOと手を組んで、「水」をテーマにした地域の環境保全活動を展開する「AQUA SOCIAL FES!!(アクアソーシャルフェス)」です。

 とりわけ後者は、商品プロモーションにNPOらが連動したということで、画期的な取り組みと言われています。トヨタがどういう経緯でこのキャンペーンに取り組んでいるのか、伺いたいと思います。
 まず、素朴な疑問ですが、アクアは海外では「プリウスC」という名前で売っています。どうして日本でも「プリウスC」にしなかったのですか。

折戸:国内であえて名前を変えたのは、プリウスで掴みきれていない若年層に新たなブランドでアプローチしたかったからです。

若年層とはどの年代ですか。

折戸:20代を中心に30代後半までを想定しています。

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「トヨタのアクアが提示する「射程3年」の広告」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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