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前年比の発想では“ザク”は生まれない

相模屋の“面子”など、勝ってから立てればよいのです。

2012年10月17日(水)

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 アニメやガンダムに興味がない方でも、もしかしたら「ザク」はご存じだろうか。ごく簡単に言えば、ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」での敵方の主力兵器(=やられ役)だが、位置づけが「量産品」であることが放映当時(1979年)は画期的だった。スペシャルなものではなく、戦車のような量産兵器として作中で扱われていたわけだ。その番組をじっと見ていたのが後の豆腐メーカー、相模屋食料(以下相模屋)の社長となる鳥越淳司氏、当時小学校2年生だった。

 それから31年後の2012年。相模屋は春に「ザク」をモチーフにした「ザクとうふ」を発売し大ヒット、つい先日には第二弾「ズゴックとうふ」もヒットさせて話題になった。

3月発売の「ザクとうふ」。社長こだわりのパッケージについては連載第1回
パッケージから出すと枝豆風味の豆腐が出現
第二弾は10月3日、とうふの日に発売された「鍋専用!ズゴックとうふ」。水陸両用の兵器なので鍋に投入される。

 「社長の趣味も極まればビジネスになる」という点も確かに面白い。しかし、日経ビジネスオンラインをお読みになるビジネスパーソンの皆さんには、この会社の本当の面白さを知っていただきたい。カギは9年前、同社が2003年に投資を決断した「超量産型」の第三工場だ。

 この工場が稼働したのは2005年7月。そこから相模屋の業績は急拡大した。2002年には28億円だった売上高が、2012年は126億円と、「失われたナントカ」と日本経済が引きこもり状態にはいった10年間で4.5倍に伸びている。

*   *   *

(承前 前回から読む)

第三工場、行ってきました。概要は聞いていましたが驚きました。ベルトコンベアに載ったおとうふの大群に、ロボットアームが容器を上からバシバシ被せていく様子は圧巻でした。

こちらから動画をご覧いただけます。(WMV形式)

鳥越:ありがとうございます。「ホットパック方式」のラインはぜひ見ていただきたかった。まさしく「相模屋驚異の…」

それは前回聞きました。ところでロボットの動きに圧倒されて、「これ、見かけは派手だけど実際の速度は普通のラインより遅かったりして」とか思ったんですが。

通常のラインの4倍の量産

鳥越:この木綿豆腐の製造装置は「連続ライン」と呼ばれるジャンルになりますが、我々の装置では1ライン、1時間当たり8000丁を作っています。通常の装置ですと、だいたいマックスで1時間当たり2000丁、普通は1500丁というところですので、8000丁というのはまったく考えられない数字だと思います。

社長がロボット好きだから、というわけではないんですね。

鳥越:まさか(笑)。モビルスーツ(ガンダム劇中の人型兵器。ガンダムもザクもその機種名)は大好きですけれどね。

それにしても通常の4倍というのは「やりすぎ」じゃないですか。

鳥越:これは自分の信念なんですが、今あるものや、対前年で比べてどう、という発想は極力やめようと。

 「まったく新設の第三工場をどうするか」というときに、改良とかバージョンアップとかで考えますと、結局、前の120%とか150%とかにしかならない。2000丁の150%だとしても3000丁にしかならないんですね。

“バージョンアップ”や“改造型”は、メカ好きの心には響きますが…

鳥越:魅力的ですよね。でも、これまでと違うまっさらの状態で開発できるときに、過去に縛られてはいけません。ジオン公国のモビルスーツがその例ですね。戦闘機や戦艦の改良ではなく、ザクというモビルスーツへのジャンプができたから、国力に勝る地球連邦に戦いを挑み、勝利できた。

コメント12件コメント/レビュー

下のコメントがありましたので、敢えてのコメントですが・・・。私も「ほんのりバニラ風味の豆腐だと?」と、半ば怖いもの見たさでデザート仕様ザクとうふを買って食べてみました。結果、かなり気に入ってしまい、その後は数日おきに購入しては食べてます。普通のデザートみたく甘くないのが合ったみたいで、私の勧めで食べてくれた周囲の人にも概ね好評です。もちろん、自分や周辺の感覚が消費者一般と同じだなんて思い上がってはいませんが、デザート仕様が期間限定なのを残念に思い、むしろ定番化してくれないかなーなんて思っている人間もいるぞということで・・・。(2012/11/02)

「“量産型”の逆襲」のバックナンバー

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「前年比の発想では“ザク”は生まれない」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

下のコメントがありましたので、敢えてのコメントですが・・・。私も「ほんのりバニラ風味の豆腐だと?」と、半ば怖いもの見たさでデザート仕様ザクとうふを買って食べてみました。結果、かなり気に入ってしまい、その後は数日おきに購入しては食べてます。普通のデザートみたく甘くないのが合ったみたいで、私の勧めで食べてくれた周囲の人にも概ね好評です。もちろん、自分や周辺の感覚が消費者一般と同じだなんて思い上がってはいませんが、デザート仕様が期間限定なのを残念に思い、むしろ定番化してくれないかなーなんて思っている人間もいるぞということで・・・。(2012/11/02)

この連載を読み感動して早速ザク・デザート仕様を買って食べました。正直美味しくありませんでした。家族も嫁さんから子供まで同様の感想で、残った豆腐の処分に困りました。(調子に乗って沢山買った自分が情けなかった)食感は全く豆腐なのですが、何となく甘い味。豆腐はアイスクリームになるくらいなので、デザートにするのであれば徹底的にデザートにしてもらいたかったです。最近はコンビニのケーキやヨーグルト、プリンなどのデザート類が安くて大変美味しくなっているのに、この味ではマーケティングが不十分すぎると思います。今年は商品が行き渡ってない&拡張中なので、自然に売り上げは上がりますが、リピートが主体となる来年は、このままの味では売り上げが急激に減ってしまうと思います。数年後相模屋衰退の原因はザク豆腐にあると特集が組まれないよう、冷徹な市場分析を行っていただきたいと思います。相模屋さんを応援しています。(2012/10/22)

ガンダム1st当時は中学生でしたが、それ以降ガンダムに全くはまったことが無い40代半ばのおっさんです。(エヴァにははまったんですが)当方九州在住なので相模屋さんの豆腐を一度も目にしたことありません。(男前豆腐は店頭にありますが)この連載を見て、基本に忠実であるべきこと、均一な品質で大量生産出来る事の凄さ、大切さを再確認致しました。4号戦車、ゼロ戦については、前者は後継の5号戦車パンターが故障続きでかつ工程も複雑で大量生産できなかった為老兵の4号を延命せざるを得なかった、後者は2000馬力以上のエンジンを日本が開発・大量生産できず後継機の大量生産と配備が不可能だったための悲劇ですね。一方連合国は新規戦闘機をバンバン開発するし、M4やT-34を4,5万台の大量生産出来る工業力、国力があったわけで・・・(山中氏には釈迦に説法でしょうが)まさに「戦争は数だよ、兄貴」って所でしょうか。(2012/10/17)

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