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「世界一おいしいカレー」、あなたならどう作る?

電通CDC 岸勇希氏 第1回

2012年10月26日(金)

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もしあなたが新商品を市場にアピールしたい時、何をするだろうか?

テレビ広告を作る。
確かに、ひと昔前まではそれが第一の選択だった。

しかしネット以降、次々と新興メディアが登場、乱立する今、メディア単体の広告展開ではゴールに到達できなくなっている。

情報のインターフェイスがあらゆるものに広がる中では、広告もあらゆる手段を使って課題解決を追求しなければならない。
その流れに対応するため、電通が設けた戦略局が「コミュニケーション・デザイン・センター(CDC)」だ。

地殻変動が起きている市場に効く「コミュニケーション・デザイン」とは何か。
広告の最前線で活動するCDCメンバーのインタビュー・シリーズから、先端のビジネス環境を見る。

電通CDCとは?

高度化する企業の抱える課題を複合的に解決するため、様々なセクションから実績のあるスペシャリストを集め、2009年に電通内に設けられた。構成は、テレビなどマスメディア・ベースのクリエーティブチーム、デジタル・ベースのクリエーティブ・チーム、ストラテジーチーム。それぞれの専門性によって分かれているが、プロジェクトごとに横断的にチームを組む。今回のインタビュー・シリーズでは「マスメディア・クリエーティブチーム」から古川裕也氏、澤本嘉光氏、高崎卓馬氏、「デジタル・クリエーティブチーム」から佐々木康晴氏、岸勇希氏、「ストラテジーチーム」から林信貴氏、樋口景一氏に話を聞く。

前回、トヨタ「アクア」の広告キャンペーンで、広告の新しい流れである「ソーシャル」型のキャンペーンについて取り上げました。アクアは当初、月販目標1万2000台だったところ、発売2カ月で予約が15万台に達したということが、車離れの昨今、大きなニュースになっています。そのアクアの広告を手がけたクリエイターが、岸勇希さんです。35歳の岸さんは、「コミュニケーション・デザイン」という言葉を、広告の中で普及させた人とうかがっています。その「コミュニケーション・デザイン」とは何なのか、ということを教えていただきたいのですが。

岸 勇希(きし・ゆうき):電通CDCクリエーティブ・ディレクター/次世代コミュニケーション開発部専任部長。東京大学講師(2011-2012)。
1977年、名古屋市生まれ。東海大学海洋学部水産学科卒業。早稲田大学大学院国際情報通信研究科修了。2004年、電通に入社。中部支社雑誌部、メディア・マーケティング局を経て、06年10月より東京本社インタラクティブ・コミュニケーション局クリエーティブ室へ。08年より現職。
広告の企画・制作に限らず、企業の商品開発や事業デザイン、空間・施設プロデュース、アーティストのプロモーションや作詞、テレビ番組の企画・制作など、幅広くクリエーティブ業務に携わる。最新の仕事に、トヨタ自動車「AQUA」キャンペーン。商業施設「東急プラザ表参道原宿」のプロデュース、「すみだ水族館」の展示演出、フジテレビ「にっぽんのミンイ」企画、演出などがある。カンヌ国際広告祭金賞をはじめ、グッドデザイン賞他、国内外の賞を多数受賞。著書に『コミュニケーションをデザインするための本』(電通選書)。(写真:中村 治、以下同)

:「コミュニケーション・デザイン」を一番素直に解説すると、「コミュニケーションをデザインすること」ということになります。

確かに。

:それではあまりに乱暴なので(笑)、まずは「コミュニケーション・デザイン」という考え方が生まれた背景から説明したいと思います。

 広告産業はこれまでずっと、読んで字のごとく「広く」「告げる」ことをビジネスの生業として発展してきました。なぜ、広く告げてきたのか? そうすればモノが売れたからです。何十年もの間、広く告げることがモノを売る上で、極めて有効な方法だったわけです。

 さて、今はどうでしょう? もちろん商品にもよりますが、広く告げるだけでは、なかなか売れにくい時代に突入しています。コミュニケーション・デザインという考え方が広告業界に浸透した最大の理由は、これまで必勝パターンとも言えた、“広く告げること、伝えること”に限界がおとずれたからです。

なぜでしょうか。

:なぜ、伝えるだけで物が売れなくなったのか? ここには、「そもそも伝わりにくくなった」という事象と、「たとえ伝わったとしても、人が動きにくくなった」という二つの理由が存在します。

 まずは前者、メディアの多様化と、それに伴う情報過剰による、「そもそも伝わりにくくなった」という話から説明をしたいと思います。

ラブレターが多すぎれば、もらうだけでも不愉快に

:広告業界では、広告する行為をラブレターに例えることがあります。企業が生活者に対して広告というラブレターを送る。相手がそれを受け取り、もし気に入ってくれれば成立。商品を購入してくれる、という構造です。広告をコミュニケーションの一種と言う理由もここにあります。

 広告のプロたちは長らく、どんな相手でも口説き落とすことのできる、優れたラブレター作りに命を懸けてきたわけです。素敵なラブレターを届けられれば、相手を落とすことができたからです。

 ところが、インターネットの爆発的な普及を皮切りに、ラブレターの送り先である、生活者を取り巻く情報環境は大きく変わりました。送り先の人々は、日々、ものすごくたくさんのラブレターをもらうようになったんです。日ごろから大量にラブレターをもらっている人に、さらにラブレターを送ったらどうなるか。清野さんならどうしますか?

無視します。

:そうですね。たとえ渾身のラブレターを送ったとしても、基本、無視されてしまいます。これがよく言われる「情報過剰問題」で、送っても読んでもらえず、広告が届きにくくなったわけです。これは、つい10年ぐらい前に僕たちが直面した問題でした。とはいえ、今思えば、無視されるだけなら、まだマシだったのかもしれません。事態はソーシャルメディアが普及してから、さらに悪化していきます。大量に来るラブレターにうんざりしているところに、さらにラブレターが来たら、どう思いますか?

うざいと思います。

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「「世界一おいしいカレー」、あなたならどう作る?」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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社長に就任してずっと言っているのが ファンダメンタルズの強化。

安形 哲夫 ジェイテクト社長