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民主党が官僚制度改革でおかした2つのミス

政策工房社長の原英史氏が唱える「公務員制度改革」(前編)

2012年12月3日(月)

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 日本政策学校代表理事の金野索一です。

 今回は【官僚制】をテーマに株式会社政策工房社長の原英史氏(大阪市顧問、元経産省)と対談しました。原氏は民主党政権の誤った政治主導で、政権交代時に本来立法すべきであった政治主導のサポート機関(国家戦略局)の立ち上げ・幹部公務員人事制度改革が必要だと語ります。

 対談の中で、原氏は「政策という分野は霞が関が独占している状態だった。独占禁止法は政策分野には適用されていない」と主張し、本来立法を担当する議員も、政府案以外に裏づけのある対案を打ち出した政策の議論ができていないと語ります。

 大阪市顧問の経験から「いろいろなことが一律に国の法律で決められていて、地方でこっちの仕組みに変えようとしても変えられない」と語り、結局、霞ヶ関の人たちが決めていると主張します。公務員制度改革は役所組織がまともに機能するように変え、各論の改革を進めるためにあると語ります。時の政権に左右されない公務員制度改革の議論を出発点に、読者自身が日本の選択を進めていければ幸いです。

なお、政策本位の議論を提起するために、一つのテーマごとに日本全体の議論が俯瞰できるよう、対談者の論以外に主要政党や主な有識者の論もマトリックス表に明示します。さらに、読者向けの政策質問シートを用意し、読者自身が持論を整理・明確化し、日本の選択を進められるものにしています。

(協力:渡邊健、野口昌克、伊藤憲祐、村田聡)

原 英史(はら・えいじ)
東京都生まれ、東京大学法学部卒。1989年通商産業省入省。安倍晋三・福田康夫内閣で渡辺喜美行政改革担当大臣の補佐官を務め、2009年に退官。政策コンサルティング業を行う「株式会社 政策工房」を設立。2011年に大阪市特別顧問、大阪府市統合本部特別顧問に就任。大阪府人事委員会特別顧問や政策研究大学院大学客員准教授も務めている。

官僚制度の改革は法律改正で実現できたはず

金野:まず総論として、民主党が菅直人首相までにやってきた政治主導の具体的な手法について、原さんのお考えをお聞かせください。

:政権交代前の野党時代から脱官僚依存だ、「政治主導』に変える、自民党政権時代の政治家と官僚機構との癒着関係、いいかえれば、長い間のしがらみを断ち切る、といってきた。しかし、民主党は『政治主導』という言葉の意味を完全に間違えて、勘違い政治主導をおこなった。

 自分たちが「政治主導で頑張っています」ということを示すために、わざわざ政治家自ら電卓をたたいたり、エクセルで表を作ったり、一生懸命予算をつくっていると誇らしげにテレビカメラに映ったりしていた。これは、まさに勘違い政治主導の象徴だったと思う。

 政治主導とか官僚依存を変えていくというのは、官僚を排除し、自分たちが代わりにやるのではなくて、官僚組織がまともなガバナンス構造の中で国民のために仕事をするような行政組織に変えていくということだ。

 本来、政権交代をした時に、2つのことをやっておけばよかった。

 1つは、国家戦略局を立ち上げること。これまでのような官僚機構からボトムアップで政策を作っていくという仕組みではなくて、政権が経営者としてトップダウンで仕事をやっていこうとしたら、経営陣が経営戦略をつくるためのサポート部隊をつくって、そこで戦略を練っていくことが必ず必要。今までの政治の仕組みというのは、国全体が会社だとしたら、事業本部ごと、担当部ごとにプランが練られて、それを単に短冊でつなぎ合わせるようなやり方だった。そこを切りかえる仕組みが必ず必要だ。

 しかし、「法律がないとつくれません」といって、国家戦略室というのを仮設置でつくった状態で、まともに機能しないままに長い時間を過ごしてしまった。

 根本的な間違いだったのは、法律を変えないといけない、時間がかかる、といってためらってしまったことだ。しかし、政権交代直後というのは、国会がねじれ状態でもなかったわけだから、法改正なんかすぐにできたはずだ。

 もう1つが、幹部の人事制度改革だ。

 局長以上は辞表を出させて、自分たちと一緒にやれる人だけ一緒にやってもらうんだということを政権交代前に民主党はずっと言っていた。しかし、これも全然やらなかった。かつて政権交代前に、民主党の言っていることは、めちゃくちゃだとかと言っていたある事務次官もそのままに残した。実は法律上できないということに気づいたんだと思う。国家公務員法という法律で、公務員は身分保障というものが定められていて、よほどのことがない限り、クビにしたりとか降格にしたりできない。局長以上には辞表を出させることは法律上できないとわかって、そこで諦めてしまった。これはまた大間違いで、法律で決まっていても変えてしまえばよかった。

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「民主党が官僚制度改革でおかした2つのミス」の著者

金野 索一

金野 索一(こんの・さくいち)

財団法人日本政策学校・代表理事 / 多摩大学経営大学院・客員教授

コロンビア大学大学院国際公共政策大学院修士課程修了。平成維新の会・政策スタッフ、政策学校・一新塾、起業家養成学校アタッカーズ・ビジネススクールの経営、公益財団法人東京コミュニティ財団評議員等を経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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