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「新卒採用論で無視され続けている普通の学生たちを助けよ」

海老原嗣生氏に聞く「日本の雇用」(前編)

2012年11月8日(木)

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 日本政策学校代表理事の金野索一です。

 「日本の選択:13の論点」と銘打ち、2012年の日本において国民的議論となっている13の政策テーマを抽出し、そのテーマごとに、ステレオタイプの既成常識に拘らず、客観的なデータ・事実に基づきロジカルな持論を唱えている専門家と対談していきます。政策本位の議論を提起するために、1つのテーマごとに日本全体の議論が俯瞰できるよう、対談者の論以外に主要政党や主な有識者の論もマトリックス表に明示します。さらに、読者向けの政策質問シートを用意し、読者自身が持論を整理・明確化し、日本の選択を進められるものとしています。

 今回は【雇用】をテーマに海老原嗣生氏(株式会社ニッチモ代表取締役)と対談を行いました。

 海老原氏は、産業構造の変化により製造業の仕事が減り、対人折衝能力が必要なサービス系の仕事が増えたことで雇用のミスマッチが起こっていることを関心事として述べられています。また雇用についての的外れな議論の多さを指摘しており、例えば「正社員の代替で非正規社員が増えた」という定説を否定し、データを示して、雇用問題として取りざたされている論点の多くは論理的でないと指摘しています。

 対談の中で「大企業が非正規化させたとか、大企業が悪だという話に行ってしまうから、何も解決しないのでしょう。新卒偏重の超大手が3年既卒OKにしたって、それで救われるのは、一部のエリート大学を出た人のみ。それよりも、普通の学生に、割れ鍋に綴じ蓋なペアが見つかる仕組みが欲しい」と語っており、派遣労働は雇用調整の為に維持し、それぞれに合った仕事をみつける仕組み作りを提案されています。本当は何が問題なのか、読者自身が客観的なデータから日本の問題を考えていただければ幸いです。

(協力:渡邊健、藤代健吾、高橋淳、高井栄輔)

海老原嗣生
株式会社ニッチモ代表取締役。株式会社リクルートエージェント ソーシャルエグゼクティブ、株式会社リクルートワークス研究所特別編集委員。大手メーカーを経て、リクルートエージェント入社。人事制度設計などに携わった後、リクルートワークス研究所へ出向、「Works」編集長に。著書に、『雇用の常識 決着版:「本当に見えるウソ」』、『女子のキャリア:〈男社会〉のしくみ、教えます』、『「若者はかわいそう」論のウソ』、『日本人はどのように仕事をしてきたか』、等がある。

「新卒一括採用が悪いので、若者が苦しんでいる」の嘘

金野:今回は雇用全般をテーマにさせていただいています。まずは入り口として、日本全体の雇用の現状分析から聞かせていただければと思います。

海老原:まず、なぜ地に足のついていない話ばかりが流れるのかというのが、一番の問題だと思っています。雇用の論客は、ほとんど専門にやっている人ではないわけです。濱口桂一郎さんや僕はニッチだと思います。

 例えば、新卒一括採用が悪いから若者が苦しんでいるという話は、雇用の現実からすると、逆なんですね。

金野:そうですか。

海老原:よく考えてほしいんです。まず1つ目は、ヨーロッパ型社会、欧米型社会だとどうなっているかというと、雇用というのはエリートとノンエリートの2つに完全に分かれています。日本人は欧米の働き方を語る時、多くは上位1割、若しくは数%のエリートたちを指して話をします。みな、グローバルエリート教育がされている、とかですね。

 一方で、階層化という概念がないから、同じように、ノンエリートのこともごっちゃまぜに語ります。例えば、向こうではワークライフバランスが整っていて、それで男性社員でも育児休暇をとって9時-5時で残業がない。これは明らかに、ノンエリートの話です。あちらを指して、「いいな」と言っているけれど、ノンエリートとエリートがごっちゃになって言っています。午餐(シェスタ)をとって5時即しているノンエリートに、グローバル教育なんてしてませんし、逆に、パイプライン任用で世界を飛び回るエリートが、育児休暇なんて取ってません。

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「「新卒採用論で無視され続けている普通の学生たちを助けよ」」の著者

金野 索一

金野 索一(こんの・さくいち)

財団法人日本政策学校・代表理事 / 多摩大学経営大学院・客員教授

コロンビア大学大学院国際公共政策大学院修士課程修了。平成維新の会・政策スタッフ、政策学校・一新塾、起業家養成学校アタッカーズ・ビジネススクールの経営、公益財団法人東京コミュニティ財団評議員等を経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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