• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ブランドは価格競争脱却の切り札にはなり得ない

ブランド論の第一人者、デービッド・アーカー氏に聞く

2012年11月12日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 薄型テレビの価格が下げ止まらず、国内電機メーカーが巨額の赤字を計上するなど、製品のコモディティー化から、日本企業の多くが泥沼の価格競争に巻き込まれている。そうした苦境から抜け出すために、「ブランド力の向上」を目指す動きが広がっているが、それは有効な戦略なのか。ブランド論の世界的第一人者で、電通顧問を務めて日本企業の動向に詳しいデービッド・アーカー米カリフォルニア大学バークレー校名誉教授に聞いた。
 昨年に出版した著書『カテゴリー・イノベーション―ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』(日本経済新聞出版社)で新たな知見を披露したアーカー氏は、「新製品開発やマーケティングにお金をかけてブランド力を高めようとするだけでは、売り上げやシェアを大きく変えることはできない」と指摘。売り上げシェアを劇的に変えるための新しい方策を提示する。

(聞き手は中野目 純一)

昨年に出版した近著で「カテゴリー・イノベーション」という新しいコンセプトを提示した。それはどのようなものか。

アーカー:一言で表現すれば、製品やサービスの新しいカテゴリー(分野)、あるいは既存のカテゴリーの中に新しいサブカテゴリーを創り出すことだ。

 なかなか分かりにくい概念なので、具体的な例を使って説明しよう。ここではビールという製品カテゴリーを例に挙げる。私は日本のビール業界を長年にわたって調べてきたが、その市場シェアが大きく変わった局面が過去に4回あった。

デービッド・アーカー(David A.Aaker)氏
米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院名誉教授。プロフェット社副会長。電通顧問。ブランド論の第一人者であり、ブランド・エクイティ戦略やブランド・ポートフォリオ戦略を提唱した。著書に『ブランド・ポートフォリオ戦略』(ダイヤモンド社)、『ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン』(同)、『カテゴリー・イノベーション―ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』(日本経済新聞出版社)などがある。
(写真:菅野 勝男)

 そのうち、3回はビールというカテゴリーの下に新たなサブカテゴリーができたことが契機となった。具体的に言うと、アサヒビールの「アサヒスーパードライ」、キリンビールの「キリン一番搾り」、そして発泡酒の登場である。これらはビールというカテゴリーの中で、それぞれ新しいサブカテゴリーを形成した。その結果、日本のビール業界におけるメーカーの市場シェアは、大きく塗り替わった。

 このように、市場のシェアが劇的に変わるのは、少数の例外を除いて、新しいカテゴリーやサブカテゴリーが創出された場合に限られる。企業は売り上げや利益を増やし、市場シェアを高めるために、新製品の開発やマーケティングに多額の費用を投じる。しかし、現実には既存のカテゴリーの中でいくらそうした取り組みに力を入れても、業績や市場シェアが大きく変わることはない。

 コンピューター産業を見ても、業界の勢力図が大きく変わったのは、ミニコンピューターやサーバー、ワークステーションといった新しいサブカテゴリーが形成された時だった。

コメント0

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「ブランドは価格競争脱却の切り札にはなり得ない」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

ドイツ企業は協調と競争の使い分けに長けている。

ビル・マクダーモット SAP CEO(最高経営責任者)