• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

孫さん曰く「犬のお父さんに飽きているのは君だけだよ」

細田守監督(「おおかみこどもの雨と雪」)第3回

2012年11月20日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(前回から読む

澤本:前回、細田監督から「アニメ映画監督に必要なのは現場のマネジメント力だ」ということをうかがって、膝を打つ思いでした。やっと日経ビジネスっぽい話題にできそうですし(笑)。

細田 守(ほそだ・まもる)
アニメーション映画監督
1967年、富山県生まれ。金沢美術工芸大学卒業。91年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、劇場アニメ「時をかける少女」(2006年・角川ヘラルド映画)を監督し、小規模上映ながらロングラン・ヒットとなり国内外の数多くの賞を受賞。続く「サマーウォーズ」(09年・ワーナー・ブラザーズ映画)では16.5億円の興行収入を達成し、ベルリン国際映画祭にも正式招待された。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。最新作で自身が監督・脚本・原作を務めた12年公開の「おおかみこどもの雨と雪」(東宝)は、この記事の公開時点で興行収入41億円を超える大ヒットとなった。現在、日本を代表するアニメーション映画監督の旗手として国際的に知られる。
(写真:大槻 純一、以下同)

細田:表現力も大事ですが、何より現場を切り盛りする腕力がね。澤本さんもそういう実感がありますか。

澤本:広告の映像制作はまた、映画とは別の枠組みになりますが、僕の仕事の場合、制作の場で一番、要になるのは「プロデューサー」だと思っているんです。しっかりしていて、何があっても動じないタイプのプロデューサーに担当していただく、というのは、僕の中で必須条件になっています。

細田:広告の世界の「プロデューサー」は、われわれの世界のプロデューサーと、また役割が違いますでしょう。

澤本:映画畑のプロデューサーは、主に予算関係を司る役割ではないでしょうか。広告畑におけるプロデューサーは、それとは少し違っていて、現場を切り盛りする人のことを言うんです。

 たとえばソフトバンクモバイルの広告では、タレントが一堂に揃うことが難しいし、犬のお父さんは別撮りだし、と、一話一話を仕上げていくまでは、手順がたくさんあって簡単ではないんです。そういう複雑な交通整理を引き受けてくれて、いいものの制作に最適な道を作ってくれるのがプロデューサーです。もちろんお金のことも大事な用件ですが。

細田:それは電通の方なんですか。

澤本:電通ではなくてCMを主にやられている映像関連のプロダクションの方々です。

 企画の段階でも、たとえば、テレビCMの制作って、企画の依頼からプレゼンまでの期間が異常に短かかったりすることもあるんです。極端な例ですが「明日の朝10時にプレゼンです」といきなり言われて、「ええーっ」と言う間もなく、企画を考える。それをクリエイティブ・ディレクターに送って「オーケー」と言ってもらうのが当日の朝4時。

電光石火のスタッフが支えるプレゼン

細田:すごいスピードですね。

澤本:それで、朝4時から10時までの間に、スタッフがプレゼン用のコンテを作ってくれたり。びっくりなのは、この手際の良さだったりします。

細田:へえ。

澤本:みんなが徹夜で目の下を真っ黒にしながら取り組んでくれて、「コンテができました」と、僕のところに持ってきてくれる。それを持って僕はプレゼンに臨むわけですが、プロデューサーを初め、スタッフがいてくれるからこそ、プランナーである自分が考える時間をマックスまで引き延ばして、直前までアイディアを練ることができる。だから、自分だけで広告を作っている意識は、僕にはほぼないんです。

細田:ちなみにソフトバンクのCM1本で、スタッフは何人ぐらいいらっしゃるんですか。

澤本:どこまで勘定するかがありますけど、ライトマンやカメラマン、美術、と考えだすと50人以上ぐらいは普通にいます。

細田:スタッフは澤本さんの指名で?

澤本:いえいえ、全員を僕が、ということはありません。ベストなスタッフで全部固められるなんて幸せはほとんどないじゃないですか、優秀な方ほど忙しいので。だから、その中でいかにそのときの仕事に合った布陣を敷けるかについては、プロデューサーがすごく大切になります。仮に、どうも出来上がりがうまく行ってないな、というときは、実際の制作現場で、どう修正をかけていくかが大事になりますが、そのあたりの先読みの準備も大事だったりします。

細田:それはどういうふうにするんですか?

コメント1

「澤本嘉光の「偉人×異人」対談」のバックナンバー

一覧

「孫さん曰く「犬のお父さんに飽きているのは君だけだよ」」の著者

澤本 嘉光

澤本 嘉光(さわもと・よしみつ)

CMプランナー

1966年、長崎県生まれ。東京大学文学部卒業後、電通に入社。カンヌ国際広告祭賞など内外の受賞多数。2007年に始まったソフトバンクモバイル「白戸家シリーズ」は5年目に突入し、いまや国民的CMに成長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長