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白戸家も「おおかみ…」も家族がテーマになった理由

細田守監督(「おおかみこどもの雨と雪」)×澤本嘉光さん 第4回

2012年11月27日(火)

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澤本:今回は、編集者から「せっかくなので、細田監督の最新作の『おおかみこどもの雨と雪』の感想を言ってください」とオファーがありまして…僕の感想としては、陳腐なのですが「すごく好きだ」としか言いようがなくて。余計なことを言うと、なんか嘘になるような。

(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会、スタジオ地図作品

細田:ありがとうございます。光栄です。

澤本:僕、最近気がついたんですけど、このごろ自分が作るものの8割ぐらいが、どうも親子関係がらみなんです。

細田:ソフトバンクの「白戸家シリーズ」もまさにそうですよね。

澤本:昔はそういう事もなかったんですけど、気がついたら。「おおかみこども~」の場合は、親子で、子育てで、と、家族の中でもこれぐらい純粋なテーマはないじゃないですか。なかなかアニメにはしないような純粋な部分をアニメにしているというところに、逆に惹かれたんですよね。

※ 「おおかみこどもの雨と雪」
 2012年公開。細田守監督。「スタジオ地図」設立後の一作目。縁あって、おおかみおとこの「彼」と結婚し、娘の「雪」と息子の「雨」に恵まれた「花」。「彼」を不慮の事故で失ってから、息の詰まる都会を逃れて、里山のある田舎で母子は暮らし始める。豊かで過酷な自然の中、子供たちは波乱も経験しながら成長し、いつしか花から離れていく日が…。

細田 守(ほそだ・まもる)
アニメーション映画監督
1967年、富山県生まれ。金沢美術工芸大学卒業。91年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、劇場アニメ「時をかける少女」(2006年・角川ヘラルド映画)を監督し、小規模上映ながらロングラン・ヒットとなり国内外の数多くの賞を受賞。続く「サマーウォーズ」(09年・ワーナー・ブラザーズ映画)では16.5億円の興行収入を達成し、ベルリン国際映画祭にも正式招待された。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。最新作で自身が監督・脚本・原作を務めた12年公開の「おおかみこどもの雨と雪」(東宝)は、この記事の公開時点で興行収入41億円を超える大ヒットとなった。現在、日本を代表するアニメーション映画監督の旗手として国際的に知られる。
(写真:大槻 純一、以下同)

細田:前回は「サマーウォーズ」(2009年公開)で家族というか親戚を描き、今回は「おおかみこども~」で親子を描いたわけですが、普通だったらアニメの題材にならないようなテーマばっかりですよね。ただそこには、今、描かなきゃいけないというような切迫感を感じています。自分が学生のときは、まったく出てこないモチーフだったんですけど。

澤本:学生のときなんかは、そういうのは出ないですよね。

細田:そう。でも、今は何かあるんですね。なんでしょうかね、これは。

白戸家と「おおかみこども」の共通項

澤本:まあ、年齢的なこともあるのかもしれないけど。やっぱり自分で家族を持ったりするようになって。

細田:ええ。

澤本:ソフトバンクのCMで僕が家族を描いたりしているのは、おそらく「白戸家」という家族の中で、おやじに何か一言言わせたい願望があるからだと思います。もちろんCMだから商品メッセージを言わなきゃいけないんですが、それよりも映像の中でお父さんが一言発言する、それに家族が反応する、という姿の方が、僕にとっては大事だったりするんです。その一言の内容ももちろんですが。

細田:「娘の制服のスカートが短い」と言ってお父さんが怒っている。そういう真っ当さに、見ている僕たちがほっとする、というのはありますよ。まあ、そのお父さんは犬なんだけど(笑)。澤本さんがお書きになった小説の『おとうさんは同級生』(幻冬舎)も、やっぱり家族物ですね。

澤本:まさに。気がつくと、なぜかそうなっちゃうんですね。10年ぐらい前の自分のCMを見ると、家族のCMなんて一つもないんですよ。だいたい主人公の男が1人で何かをこそこそやっているという話ばっかり。そのころは、撮影で、女性タレントに会ったことがなかったですから。

細田:僕だって、自分がまさか母親の話を映画にするなんて思ってもみなかったですから。

澤本:そうでしたか。

細田:おそらく、今、必要なものだろうな、という感覚はあるんだけど、その感覚が何なのかは自分でも分からないというか。

澤本:僕も自分では分からないんですけど、でも、今、家族ものをやっておく方がいいな、という感覚はあるんですよね。当たる当たらない以前に、CMでも小説でも、やるんだったら家族ものでいいものを作って、そこに自分の意見とかをちょこっと入れたいな、と。それも「今」見たいと思える家族ものです。自分の思いとは別に、世の中全体が家族ものについて飢えている感じはあると思います。

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「白戸家も「おおかみ…」も家族がテーマになった理由」の著者

澤本 嘉光

澤本 嘉光(さわもと・よしみつ)

CMプランナー

1966年、長崎県生まれ。東京大学文学部卒業後、電通に入社。カンヌ国際広告祭賞など内外の受賞多数。2007年に始まったソフトバンクモバイル「白戸家シリーズ」は5年目に突入し、いまや国民的CMに成長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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