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欧州は中国に寛容すぎる

ギュンター・フェアホイゲン・前欧州委員会副委員長に聞く

2012年11月22日(木)

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 欧州が債務危機に揺れる中、EU(欧州連合)がノーベル平和賞を受賞した。危機があぶりだしたのは根深い南北対立や統合の矛盾。欧州経済の行方や中韓との対立を抱える日本のアジア戦略について、ドイツ出身で前欧州委員会副委員長のギュンター・フェアホイゲン氏に聞いた。

(聞き手は渡辺康仁)

EU(欧州連合)が今年のノーベル平和賞を受賞しました。この時期に受賞する歴史的な意味をどう考えますか。

ギュンター・フェアホイゲン
前欧州委員会副委員長。1944年4月生まれ。大学卒業後にドイツ連邦政府に勤務。82年にドイツ社会民主党(SPD)に入党し、83年の連邦議会選挙で初当選。98年まで連邦外交委員会に所属。99年に欧州委員会のEU拡大担当委員に就任。2004年から産業・企業担当委員を務めるとともに、副委員長に選任。10年2月に退任し、現在はドイツ東部のヴィアドリナ欧州大学の名誉教授。(撮影:清水盟貴)

フェアホイゲン:もらうべき組織が受賞したと思います。EUは各地域で何百年も続いた衝突や暴力を乗り越えることができるという素晴らしいロールモデルを世界に示すことができました。EUの前身の共同体ができたのは、2つの悲惨な戦争の後です。苦しい経験から学んで新しい共同体を生み出したのです。

 欧州に平和がもたらされただけでなく、欧州とほかの地域の国々との平和も構築されました。旧東欧の国々も長年続いた共産主義による独裁体制から平和的に近代国家に移行することができました。弾丸が一つも発射されずに国家体制が変わり、旧東欧の国々もEUのメンバーになることができたのです。これはもはや後戻りはできません。

 ノーベル賞委員会がEUを選んだのは喜ばしいことです。最近のEUはローンや保証などお金の話ばかりになっていますが、本来の平和や人間を基盤とした概念であることを人々に思い起こさせることができたのではないでしょうか。

平和賞受賞を意外感を持って受け止めた人もいるのではないですか。政治的な思惑が裏にあると見ている人もいるようです。

フェアホイゲン:政治的な動きが裏にあったことなどあり得ません。しかし、このような決定は政治的な要素も含むものです。1973年にキッシンジャー元米国務長官に平和賞が与えられた時、私は非常に懐疑的に思いましたし、オバマ米大統領が受賞すべきだったのかという声もあります。

 平和賞に異論は避けられないとも言えるでしょう。しかし、平和賞はある組織や人が何かを成し遂げたことだけで与えられるのではなく、今後、素晴らしいことをしてくれるという期待感もあるのではないでしょうか。

 ノーベル平和賞委員会は何を言いたかったのか。EUは素晴らしい組織であることを認め、同時に壊れやすいものだから大事にしてもらいたいというメッセージが込められていたのでしょう。EUは危機だけでなく希望に満ちたものなのです。

 金融危機が続く中で色々な嫌な面も出てきました。EUの中でも弱い立場にいる加盟国に対して政策決定者やより大きな国々の世論が厳しい目を向けたわけです。残念ながら私の国であるドイツの人々も弱い国を悪く言いました。

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「欧州は中国に寛容すぎる」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官