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日本企業は迫り来る反グローバリズムの時代に備えよ

『静かなる大恐慌』の著者、柴山桂太・滋賀大学准教授に聞く

2012年11月26日(月)

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近著『静かなる大恐慌』で、リーマンショック以降の経済状況は既に「大恐慌」であり、それは1920年代の恐慌と同様、「グローバル化がもたらした結果」であると指摘した。
 そのため世界は今後、確実に「グローバル化への揺り戻しの時代」に突入し、保護主義が台頭してくると警告する。国内市場の縮小とグローバル化に対応すべく海外事業の強化・拡大に力を入れてきた日本企業――。だが、時代の大きな転換点を迎えるに当たり、日本企業は歴史的大局観を持って、「グローバル化はいつまでも続く」などという幻想は捨て去り、基本的認識を改めるべきだと警鐘を鳴らす。その考え方を聞いた。

(聞き手は石黒 千賀子)

 『静かなる大恐慌』が売れています。既に4刷で2万4000部。アマゾンの「ベストセラー商品ランキング」の「新書」及び「経済学・経済事情」の分野でもトップ5に入っています(11月22日時点)。本の冒頭から、今起きているのは「静かなる恐慌」だと説明され、衝撃を受けた読者も少なくないと思います。

柴山:そうかもしれません。しかし、リーマンショック以降の一連の危機は、やはり従来の不況とは全く違う。戦前の大恐慌の時に比べて経済運営の知恵が増えたおかげで、現代は政府の役割と規模が圧倒的に大きくなっており、各国間で協調もある程度できたので、極端な経済崩壊には至らなかったというだけです。本質的には今の経済状況は大恐慌に匹敵する危機の水準にあると考えるべきです。

今回の危機を俯瞰しなければ今後を見通すのは難しい

柴山桂太(しばやま・けいた)氏
1974年東京生まれ。京都大学経済学部卒業後、京都大学人間・環境学研究科博士課程に進むが、2002年滋賀大学経済学部講師に就任、2004年同助教授、2007年から同社会システム科准教授に。専門は経済思想、現代社会論。主な共著に、『グローバル恐慌の真相』、『危機の思想』、『成長なき時代の「国家」を構想する』など。
(撮影:村田和聡)

 しかし、それ以上に私が本で強調したかったのは、歴史的な視点というか、俯瞰して今回の危機の全体像を捉える必要があるということです。でなければ、今後を見通すことは難しい。戦前の大恐慌、そして今回は政府が介入したから「静かなる大恐慌」なわけですが、いずれもなぜ起きたのか――。それは、これまであまり指摘されていないかもしれませんが、グローバル化という動きを抜きには語れない。

 今、起きているグローバル化は、近代史以降では2回目の動きです。19世紀後半から世界の貿易や投資が拡大し、その規模はこれまで我々が推定していたよりもはるかに大きいものだったことが歴史学の世界では標準的な見解となりつつあります。当時も世界経済の統合が今と同じように進んでいたということです。

コメント14件コメント/レビュー

エマニュエル・ドットのように、グローバリズムと不況の関係を指摘し、対策としてプラグマティックにブロック経済を部分的に導入すべきという主張は数年前からしばしば見かけるようになっていたので、今回の議論に驚きはないが、行き過ぎた反動もあれることへの警告として誰もが今後常に念頭に置くべき話であると思う。(2012/11/27)

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「日本企業は迫り来る反グローバリズムの時代に備えよ」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

エマニュエル・ドットのように、グローバリズムと不況の関係を指摘し、対策としてプラグマティックにブロック経済を部分的に導入すべきという主張は数年前からしばしば見かけるようになっていたので、今回の議論に驚きはないが、行き過ぎた反動もあれることへの警告として誰もが今後常に念頭に置くべき話であると思う。(2012/11/27)

昔のドイツや今の中国のように軍産複合体で国を成長させるのは、日本にも少し教訓を与えてくれると思います。一言で言えば、日本の軍事企業よ世界に挑戦せよ!です。軍事産業こそ、グローバルの最先端であり戦争中だろうが、不況だろうが、変わらないからです。いつまでも日本国内に閉じこもってないで、武器輸出三原則から解き放たれれば、中国、韓国、欧州、アメリカのように【軍事産業で成長戦略】を多いに立てられるはずです。(2012/11/27)

過去の歴史と現状を比較している観点で興味深く感じた。新興国が保護政策に転換した場合を想定の内に入れよという提言かと思う。その一方、日本は内需が伸び悩み(国内市場の成長の見込みは薄い)、グローバル化は避けて通れない。となると、後はリスク分散の意味も兼ねて一つの国のみへの投資は避けるくらいしか打つ手は無いのではなかろうか。(2012/11/27)

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