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「戦とは力、力とは兵力」

ソフトバンク孫正義社長インタビュー

2012年12月10日(月)

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 この秋、通信業界の主役を他に渡さなかったのはソフトバンク。10月1日にイー・アクセスの買収を発表し、その2週間後には約1兆6000億円を投じて米スプリント・ネクステルの買収を発表した。早くから米ヤフーに出資し、中国やシリコンバレーで次々とコンテンツ企業へ出資・買収を繰り広げてきた同社が改めて「土管」に手を出した意図は何か。孫正義社長にその真意を聞く。

ソフトバンクは通信会社の中で脱・土管化の急先鋒というイメージがありました。一方で、土管に逆戻りするかのような米スプリント・ネクステルの買収に驚きの声も上がっています。

孫 正義(そん・まさよし)
(写真:村田 和聡)

 ネットワークだけでも、端末だけでも、コンテンツだけでもダメだと思います。3つをうまく統合し、トータルで提供していくのが最終的な目標です。どれか1つを一生懸命にやって残り2つはおざなりではダメ。

 米マイクロソフトのビル・ゲイツ氏は米アップルのスティーブ・ジョブズ氏に「おまえほどの能力があれば、立派なソフト会社になれるのに」と言いました。スティーブもまたビルに対し「おまえほどの能力があれば立派なハードウエアの会社になれるのに」と返しました。

 現在、マイクロソフトはタブレット「サーフェス」を投入し、ハードの領域に進みつつあります。一方、アップルも端末を作りながら、特にソフトのプラットフォームを強化しています。

 ネットワークも同様です。端末の中に入る通信モジュールをいかにシームレスに統合するかが重要になってきています。通信事業者はどのハードにいかに自分が持っている周波数を対応させ、シームレスにつなげるか。これをやらないとネットワークは意味を持たない時代に入っているんです。

 ネットワーク、ハード、コンテンツは切っても切れない関係になっていきます。こうした関係を理解し、なおかつ統合していくだけの力を持ち合わせていないと戦えない時代が来ます。

無邪気では勝てないのが戦だ

スプリント買収はそうした交渉で優位に立つためですか。

 交渉力とは価格についてだけではないのです。端末メーカーは機能を拡充し、デバイスを薄くしバッテリーも長持ちさせなければならない。限られたスペースで、どの周波数帯に対応したチップを入れてもらうかという交渉力を持つ。これが勝負どころの交渉力なんです。何も考えずにたまたま自社の周波数帯域に対応するチップが入っていたというケースはそりゃあるでしょう。無邪気でいい。しかし、ここぞというところの勝負所で持つべき交渉力は雌雄を決する力を持ちます。

 アップルやグーグルといったOTT(Over The Top)プレイヤーは決して戦う相手ではないんです。むしろパートナーシップを結ぶべき相手だ。いかにこうしたOTTプレイヤーとの間で強力なパートナーシップを結べるかというのが鍵を握ります。ネットワーク対端末という構図自体がレベルの異なる発想です。ちょっと話をし過ぎたかもしれない(笑)

 こういう中で、国内という限られた市場だけにとどまっていては意味をなさない。「何とかモード」やら「うちの庭は美しい」などと言っている会社は、IT(情報技術)の世界で隅に追いやられてしまいます。この戦いはIT戦争なんです。

 戦は知恵だけでは勝てない。兵力がないと勝てない。兵力とはボリュームです。これがないと相手に対する交渉力を持ち得ない。

コメント4件コメント/レビュー

 孫氏を織田信長に例えているが、むしろ本人は世界的な観点から、ようやく伊豆を取った伊勢新九郎に自らをなぞらえているのでは? そうすると小田原城に匹敵するのは何になるのか、現状ではアメリカにある何かではないかとしか想像がつきませんね・・・(2012/12/10)

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「「戦とは力、力とは兵力」」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 孫氏を織田信長に例えているが、むしろ本人は世界的な観点から、ようやく伊豆を取った伊勢新九郎に自らをなぞらえているのでは? そうすると小田原城に匹敵するのは何になるのか、現状ではアメリカにある何かではないかとしか想像がつきませんね・・・(2012/12/10)

孫さんのお考えは、単純明快です。一代で築きあげたトップだからこそ、組織全体に明確な方向性を与え、歴史的な挑戦を継続して戦える戦略を確立できるのではと思います。日本の大企業組織は、常に組織的思考を第一とし、針の穴を通すような方向性など貫くことが不可能な図体になっているのではないでしょうか。孫氏も織田信長を引合に出されていますが、とすれば孫氏の後継者以降のソフトバンクの戦いこそが、歴史の証明ということになりますか。(2012/12/10)

「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」ですね?そのためには、圧倒的な兵力が必要であり、孫さんの戦略は王道を行っていますね。(2012/12/10)

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川野 幸夫 ヤオコー会長