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「孫正義社長と私はやっぱり違う」

KDDI 田中孝司社長インタビュー

2012年12月11日(火)

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 ソフトバンクによるイー・アクセスの買収の成否によっては、国内通信2位の座を明け渡す可能性があるKDDI(au)。ただし、2011年の「iPhone」販売参入や、固定ブロードバンド(高速大容量)とスマートフォン(高機能携帯電話)とのセット割引などによって、足元の顧客獲得競争では最も勢いがあると言われる。「2012年はゲームチェンジャーになる」との宣言どおり、就任2年目でauブランドの勢いを取り戻した田中孝司社長に、今の思いを聞いた。

社長就任から丸2年。MNP(番号持ち運び制度)で13カ月連続首位を維持するなど、auブランドは消費者の支持を取り戻しつつあります。

田中 孝司(たなか・たかし)
(写真:村田 和聡)

 今年1月に発表した固定ブロードバンド(高速大容量)通信サービスとスマホのセット割引を目玉とする「3M戦略」は、実は私が社長になる前から検討を重ねていたものです。しかし、私が経営のバトンを引き継いだ2年前、KDDIはスマートフォンシフトに出遅れ、携帯電話市場におけるモメンタム(勢い)を失っていました。

 当時の状況のままこの3M戦略をスタートさせたとしても、うまく行かないことは目に見えていました。まずは「どうすればauブランドが好調だった2007年前後の会社のイメージに近づけるのか」という課題設定から着手したのです。

iPhone獲得は絶対だった

優先課題は何だったのでしょうか。

 固定ブロードバンドへの加入をテコに、同一世帯内のauスマホ比率を高める「家族内連鎖」を起こすには、他社からauに乗り換えようと思ってもらえるような魅力的な端末を品揃えすることが何よりも重要でした。

 ソフトバンクモバイルが国内で独占的に販売していた米アップルの「iPhone」の獲得は絶対でしたし、 NTTドコモで人気の高かった韓国サムスン電子の「 GALAXY」やソニーの「Xperia」なども不可欠でした。このため、就任1 年目は端末ラインアップの拡充に力を注ぐことになりました。

 ただし、端末の取り扱いにはメーカーとの協議が必要で、「よしやるぞ」と宣言したからといって、すぐに発売できるものではありません。iPhone の発売当初は一部の機能に制限があり、悔しい思いもしました。社長就任2年目の今年、MNP市場で優位な競争を進められているのは、当時の地道な取り組みがあったおかげです。

 社内には今年に入ってからも、「NTTドコモからiPhoneが出るのではないか」といった懸念や、「プラチナバンドを獲得したソフトバンクモバイルがインフラの垂直立ち上げで攻勢を強めるのではないか」といった観測がありました。幸い、こうしたリスクに直面することはなく、スマホの品揃えや通信品質における優位性を築けたことが、現在のMNP市場での成功につながっていると思います。

ライバルの動きは気になりますか。

 私にとって一番心配なのは、ユーザーの要望がコロコロと変わることです。当社にとってのライバルは NTTでもソフトバンクでもなく、ユーザーだと思っています。きれいごとを言っているように聞こえるかもしれません が、私は真剣にそう考えています。

 ドコモには安心・安全と高い顧客満足度という軸があって、ソフトバンクには孫正義社長の強いリーダーシップと、革新的な企業イメージがあります。ライバルの間で埋没しないためには、ユーザーの信頼を獲得する努力を怠ることはできません。

 企業はユーザーから離れると必ず堕落します。それはスマホシフトに出遅れた 2007年前後の当社の経験からも明らかです。私はユーザーが欲しいものを先に提供し、満足感と驚きを提供することにこだわりながら、KDDIの経営を舵取りしていきたいと考えています。

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「「孫正義社長と私はやっぱり違う」」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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