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「脱原発」は無責任、イラン危機で「3.11」の失敗を繰り返すな

田中伸男・前IEA事務局長に聞く

2012年12月14日(金)

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福島第1原子力発電所の事故以降、世界のエネルギー事情が大きく変化している。米国では“シェールガス・オイル革命”が起き、エネルギーの自給自足が可能な状況が訪れる。中東ではイスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが衝突し、イラン情勢も緊迫している。そうした中で、日本はエネルギーを安定確保するために、何をすべきか。IEA(世界エネルギー機構)の前事務局長、田中伸男氏(現在は日本エネルギー経済研究所の特別顧問)に、11月28日からウィーンで開かれた「KPMG Global Power&Utilities Conference」で聞いた。

(聞き手は大竹 剛)

昨年、インタビューをした時よりも、田中さんの日本の現状に対する危機感がかなり増しているようだ。その理由を教えてほしい(昨年のインタビューは日経ビジネス2011年7月11日号の特集「エネルギー総選挙」に掲載)。

田中 伸男(たなか・のぶお)氏
1950年生まれ。73年に通商産業省(現在の経済産業省)に入省後、経済協力開発機構(OECD)の科学技術産業局長などを歴任し、2007年9月から国際エネルギー機構(IEA)の事務局長に就任。2011年9月から日本エネルギー経済研究所の特別顧問。

田中:IEA(世界エネルギー機構)は最新の「世界エネルギー見通し(World Energy Outlook)」で、シェールガスやシェールオイルによって米国がエネルギーを自給自足できるようになることを明らかにした。これが、何を意味するのか。

 米国が中東への興味を全くなくすことはないだろうが、中東からオイルを輸入する必要が無くなるということは、中東で戦闘状態が発生した場合、ペルシャ湾、ホルムズ海峡を守るために、米国は誰のために血を流すのか。中東から多くの石油を買っているのは、日本であり中国でありインドでありASEAN(東南アジア諸国連合)である。もし、米国が軍事作戦に踏み切った場合、米国内では、「これらの国は、米国の軍事作戦にただ乗りするのか」と言う議論が必ず出てくる。その際、日本はどういう形でコストを負担するのか、貢献するのかと言う決断を迫られるだろう。

 日本は憲法の制約があって、シーレーン(海上交通路)防衛はなかなかできない。集団的自衛権で日米安全保障条約に基づいて米国と一緒にシーレーンを防衛するかといっても、中東は「周辺事態」とは言いにくいだろう。相当に解釈を変えるか、憲法を変えるか、日米安保条約を変えるか、そういうことを考えないといけなくなる。このようなリスクが高まっているということを、我々は直視すべきだ。今まで日本はそう言うことを考えないで済んできたが、いよいよ考えないとならない時代になりつつある。

「脱原発」で中東依存。その時、イラン危機が起きたら…

なぜ、日本のエネルギー政策を考える上でシーレーン防衛の重要性が増しているのか。

田中:再生可能エネルギーがすぐには増えない中で、原発をやめれば、当面は化石燃料への依存度が高まる。それは、中東依存が高まることを意味する。ASEANからのガスの輸入は今後、減ってくる。ASEAN諸国では、経済発展に伴って原油の国内消費が増えていくためだ。オーストラリアからの輸入を増やそうとしても、この国ではバブルが起きているためにコストが高い。米国からの輸入は、インフラ整備がまだ不十分だ。

 北米でシェールガス革命が起きているから、そこからの輸入が急増すると期待する向きもあるが、北米も発電や化学プラントなどでの国内消費が優先されるために、輸出量は大して多くはならない。コストも上がってくる。これら以外の有力な輸入先はロシアになるが、ロシアは信用できないという議論がすぐに出てくる。最近でこそ、ロシアからパイプラインを引くこと可能性が議論されつつあるが、それでもまだ議論は途上だ。

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「「脱原発」は無責任、イラン危機で「3.11」の失敗を繰り返すな」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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